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空想科学

今週は、ラジオの話題で盛り上がりすぎたので、少しクールダウン。

最近、よく耳にする言葉。

「人類が新型コロナに打ち勝った証として…」

この後に、

「東京五輪を成功させたい」

という言葉が続くのだが、僕はこの言葉を聞くたびに、ウルトラマンシリーズとか、「宇宙戦艦ヤマト」を思い出す。

上手く説明できるか自信がないのだが。

ウルトラマンシリーズは、子どもの頃大好きだったし、いまも大好きである。

ウルトラマンシリーズで育った僕が、少し大人になった頃、ある疑問がわいた。

「なぜ、宇宙人とたたかう隊員が、全員日本人なのだろう?」と。

宇宙人が地球に攻めてくるというのは、地球すなわち全世界にとって一大事のはずなのに、たたかうのは、日本にある科学特捜隊とか、ウルトラ警備隊の、隊員たちだけなのである。

いや、この種の疑問は、ウルトラマンシリーズについて何もわからないド素人の僕の愚問なのかもしれず、物語の上では、ちゃんとした理屈や設定があるのかもしれない。たとえば、宇宙人に対する防衛軍は世界各地にあり、科学特捜隊やウルトラ警備隊はその日本支部なのだ、とか、世界各地で、宇宙人の侵略に悩まされていて、その土地その土地で、科学特捜隊やウルトラ警備隊に匹敵する部隊が、世界で同時進行的に宇宙人とたたかっているのだ、とか、そういう設定なのかもしれない(いま調べたら、実際、そういう設定らしい)。

ウルトラマンシリーズの話はいい。じゃあ、「宇宙戦艦ヤマト」はどうだ?

地球全体が放射能汚染にさらされているというのに、その危機を救うのは、宇宙戦艦ヤマトの乗組員である日本人たちだけである。そういう発想で言ったら、アメリカ映画の「インデペンデンス・デイ」も同じようなものだったっけ?ちゃんと見ていないのでよくわからない。

僕がこういったドラマから感じることは、自分の国が人類を代表しているというドメスティックな意識、というべきか、あるいは、人類というものに対する想像力を意識的であるにせよ無意識にせよ、著しく欠いている、というべきか、とにかく、一言で言えば、「内向きの発想」ではないか、ということなのである。

この国の権力者が、

「人類に新型コロナに打ち勝った証として…」

と、全世界に向けて述べたことの意味を、深く考えなければならない。そこに、この国以外の世界に対する想像力はあるのだろうか。そもそも、一国の権力者が、人類が新型コロナに打ち勝つかどうかを見きわめることなどできるのだろうか。僕には、この発言が、上に述べたような、「空想科学」と本質的には変わらないのではないかという思いを禁じ得ない。

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コメント

ウルトラマン第33話「禁じられた言葉」が思い浮かびました。
登場するメフィラス星人は自称暴力嫌い。
科特隊フジアキコ隊員の弟を誘拐し地球人代表として「あなた(メフィラス星人)に地球をあげます」と言わせようとする。
拒絶されると少年を監禁。
助けに来たハヤタ隊員は「子どもでも地球を売り渡すような人間はいない」と言い放つ。

再考してみるととんでもない話だなと・・・。

投稿: 江戸川 | 2020年11月22日 (日) 14時22分

メフィラス星人は覚えているけど、ストーリーはすっかり忘れていました。もう一度見直してみたいです。

投稿: onigawaragonzou | 2020年11月23日 (月) 01時57分

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