怒濤の2日間・1日目
いやあ、怒濤の2日間だった。
11月27日(金)
韓国の学会主催の国際会議に出席した。韓国主催の国際会議に出席するのは、11月5日(木)に続き2度目である。もちろん、中国と日本から参加するメンバーは、オンラインでの参加である。
国際会議は、朝9時半から始まり、僕の出番は午後2時半くらい。実際には、2時50分から僕の出番が始まり、20分ほど日本語で発表した。
僕の出番はそれだけでなく、最後の総合討論の場でも、討論者の質問に対して答えなければならない。討論者の質問は、事前に知らされていたので、前日の夜に、その回答を用意して、通訳者に渡していた。
総合討論が始まると、明らかに時間がないことが目に見えていた。なぜなら、総合討論の時間は、3時50分から5時半の1時間40分。つまり100分である。それを、今日の発表者10人で割ると、発表者一人あたりの持ち時間は10分である。つまり、討論者が質問して、発表者が答える、というやりとりを、10分で済ませなければならないのである。
しかも、である。発表者は韓国、中国、日本の3カ国であり、発言するたびに、いちいち2カ国語に通訳しなければならない。
仮に、討論者と発表者の持ち時間を均等と考えた場合、たとえば韓国人が質問して、日本人が答える場合、
(討論者)韓国語→(通訳)中国語→(通訳)日本語→(発表者)日本語→(通訳)韓国語→(通訳)中国語
となり、つまりは10分を6で割ることになるから、討論者と発表者の持ち時間はそれぞれ100秒。すなわち1分40秒という計算になる。
討論者や発表者は、喋りたくてしょうがないんだから、1分40秒で質問して、1分40秒で答えるなんて、できるわけがないのだ。
実際、そんなことをおかまいなしといったように、討論者と発表者が長々とやりとりをしている。
司会をされている韓国の重鎮の先生も、途中から焦り出した。
「討論者は質問を30秒でまとめ、発表者は回答を1分でまとめてください」
とおっしゃるのだが、そんなことを守る人は誰もいない。
そのうち司会の先生は、他の2カ国語でいちいち通訳されるのがまどろっこしくなったようで、
「(中国語も日本語も)聴き取れるから訳さなくてもいい!」
と、本当は聴き取れないにもかかわらず、半ば冗談でおっしゃった。あと、
「これはたいした話ではないから通訳する必要はない」
とおっしゃったりもする。僕は幸いにも少し韓国語が聴き取れるので、司会の先生の慌てふためく様子が手に取るようにわかるのだ。
僕の発表の順番は9人目だったので、僕の番が待ってくる頃には、すでに予定の終了時間を完全にオーバーしていた。
いちおう準備した原稿を読み上げたのだが、司会の先生も会場の方々も気もそぞろで、たぶん誰も僕の話した内容をしっかりとは聴いていなかっただろう。
まったく実のある話ができないまま、時間ばかりに追い立てられて、予定の時間を30分過ぎて閉会した。
司会の大御所の先生は、総合討論の時間が短くて、じっくりと討論できなかったことをお詫びされて、
「コロナがおさまって韓国にいらしたときは、1杯おごりますから」
と画面にいる中国人と日本人に向かっておっしゃった。
ま、実際にその場に参加していたとしても、同じように、追い立てられるような総合討論だったことは、想像に難くないのだが。
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