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ルノアールのお茶について考える

書くことが何もないので、どうでもいい話をひとつ。

TBSラジオ「アシタノカレッジ」で、武田砂鉄さんと写真家の石川直樹さんが対談していて、最後の方で、喫茶室ルノアールで出されるお茶についての話題になった。あのお茶は、「早く出ていけ」という意味なのか、それとも「どうぞゆっくりしていってください」という意味なのか…。

これはたしかに大問題である。武田砂鉄さんは、番組が終わった後に、自身のTwitterで、

ようやくお会いできた写真家・石川直樹さんと「喫茶室ルノアールで出されたお茶を『ゆっくりしていってください』ととらえるか、『そろそろ……』ととらえるか」という、大切な議論ができて楽しかった。」

と書いていた。

それで思い出したのだが。

いま使っている僕のノートパソコンでは、ずーっと原稿を書いていたりすると、画面の右下の方から、びよ~んとマグカップの絵が顔を出して、

「入力時間が長くなっています。そろそろ休憩しませんか?」

みたいなメッセージがあらわれる。これ、僕のノートパソコンだけに出てくるのかな?

そんなことを無視して、原稿を書き続けていると、そのメッセージは引っ込み、またしばらくして、びよ~んとマグカップが顔出して、

「入力時間が長くなっています。そろそろ休憩しませんか?」

というメッセージがあらわれる。

うるせえな、こっちはそれどころじゃないんだ、と思いつつ、ふたたびそのメッセージを無視して入力し続けていると、どうやら敵はあきらめたらしい。

よかったよかった、と思っていると、今度はしばらくして、メッセージがなく、マグカップの絵だけが、そろ~りと画面の右下に顔を出す。

それがなんとも、申し訳なさそうな感じなのだ。

「あのう…そろそろ…」

とでも言いたがっている感じが伝わってくる。

それでも無視をして入力していると、しばらくしてまた、マグカップの絵だけがそろ~りと画面の右下に顔を出して、

「あのう…そろそろ…、ごめんなさい、決してお仕事の邪魔をしているわけではないんです。ただ、そろそろお疲れかな、と思って…」

という感じであらわれてくるのだ。

それでも無視して入力を続けていると、しばらくしてまた、マグカップの絵だけがそろ~りと画面の右下に顔を出して、

「…ほんとしつこくてごめんなさい。でももうそろそろお茶でも…」

と、かなり申し訳なさそうな感じに思えてくる。

同じマグカップの絵が出てくるだけなのだが、時間が経つにつれて、そろ~り度合いというのか、申し訳なさ度合いというのが、強くなっていくような感じがするのだ。ま、こっちの受け取り方の問題なのだが。

ここで最初のルノアールのお茶に話を戻すと、画面上に出てくるマグカップの絵は、「いいかげん、入力作業をやめろ」というメッセージなので、ルノアールのお茶もやはり、「早く出ていけ」というメッセージとも受け取れるし、その一方で画面上に出てくるマグカップの絵は、「少し休憩したらどうですか」というメッセージでもあるので、ルノアールのお茶も「どうぞゆっくりしていってください」という意味に受け取れる。

結局どっちなのだろう?よくわからない。

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コメント

(びよ~ん)

あれ、わずらわしいから出ないように設定したのに、また「休憩しませんか?」が画面に出たぞ。

お客さま、それは当店がワープロソフトメーカーと共同開発したシステムでして、お客様の入力文字数を元に、当店のおすすめメニューを紹介するものです。当店のwifiをお使いのお客様には、サービスで自動インストールさせて頂いております。

まてまて、さっき「ハニートースト・バニラアイスクリーム添え」3人前を注文したばかりだよ。「疲労感97%」って画面表示が出たから、甘いものを頼んだのに。

お客さま、よくご覧下さい。「疲労感」ではなく「肥満感」でございます。当店では入店時の体温測定画面で、○の中に顔面が収まらない面積を元に肥満度を計算しておりまして、不要不急のカロリーを摂取されるようなご注文をなさいますと自動キャンセルとなるシステムになっております。

だから何分待っても出てこなかったのか。で、画面に出ているこの絵は何? マグカップには見えないけど。

それは湯飲み茶碗でして、おすすめメニューは「お茶」という意味です。では注文を承りました。

投稿: リフレッシュコブギ | 2020年12月20日 (日) 18時17分

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