原稿ため込み党の逃避
相変わらず、自分のふがいなさに落ち込む毎日である。昨日はソファーで気を失ってしまい、寒いなあと思っていて目が覚めたら、夜中の2時だった。とにかくメンタルをやられないようにしなければならない。
最近のストレス解消法は、頼まれてもいない原稿を書いて「押しかけ提出」することである。ま、そこまでいかなくとも、自分がふだん書いている職業的文章とはまったく関係のないような分野の話を頼まれると、不思議と筆が進む。まったく、困った話である。
依頼された原稿はまったく進まないのに、頼まれてもいない原稿には没頭できる、というのは、永遠の謎である。
数えてみたら、今年度4~5本くらい、そんな原稿を書いているのだ。しかも、ほとんど人目に触れない媒体である。
ごくごくわずかな人にしか配られないであろう小冊子だとか、知る人ぞ知る地方発の雑誌とか、ごくわずかな人たちが集まる、自分とは畑違いの会合で配る「押しかけプレゼン資料」とか、一番すごいのは、アングラもアングラ、ひっそり作っている秘密の会誌とか。こうなるともう、人の目には絶対に触れない。だって、秘密なんだもん。
わずかに空いた時間でも、こういう原稿に没頭していると、ストレスが解消されるのだ。
そんな時間があるなら、ため込んでいる依頼原稿を仕上げろよ!おまえ、どんだけいろんな人に迷惑かけてるんだよ!ということなのだが、まあ仕方がない。
原稿といえば、以前に恋愛について特集した業界誌に原稿を書いた、と書いたことがあるが、その特集がひどく好評だったらしく、その特集を再編集した本がもうじき出るという。僕の書いた原稿は、当然ボツになるだろうと思っていたら、再録されることになった。タイトルに「恋」という字が入った本に原稿を書くなんて、おそらく最初で最後である。
あらためてその本の目次を見直してみると、僕以外は、みな恋愛の体験談を情緒豊かに書いているのだが、僕だけは、「他人の恋愛についてとやかく語ることは難しい」と、自分がこの依頼を受けて、いかに書けないかを延々と述べた文章になっていて、やはりバツが悪い。依頼されたテーマが自分にとって荷が重いので書けないことを延々と書いてマス目を埋めるやり方は、コラムニストの小田嶋隆さんがよく使う手である。
それでも、今年もらった年賀状で、遠くに住む大学時代の先輩がその特集を読んでくれたらしく、「あの文章は面白かった」と、わざわざ一言書いてくれた。少なくとも一人、しかもむかしから信頼している先輩には好評だったということで、僕はそれだけで満足である。
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