渋谷駅の憂鬱
1月23日(土)
都内に住んでいる人ならば、この話はあるていどわかってくれることだと思うのだが。
「できれば渋谷駅で乗り換えたくない」
もともとが田舎者の僕なので、渋谷駅とか、渋谷という町が苦手である。大学時代は、大学の最寄りの繁華街が渋谷だったので、友人たちと渋谷で飲み会をするなんてことがよくあったのだが(あれ?おかしいな…)、あんまりいい思い出がない。
いま、たまにやむを得ぬ事情で渋谷に行くと相変わらずの人の多さで、いったいこの町にはどんな魅力があるのだろうと、不思議でならない。
まだ新宿の方がマシなのだが、それでも最近は、新宿もまた億劫な場所である。
いまはもう飲み会に参加しなくなったから関係ないのだが、高校時代の仲間たちは、なぜか新宿で飲み会をすることが多い。新宿の繁華街の、居酒屋ばかりが入っているような雑居ビルの、何階かの店舗にギュウギュウに押し込められて、周りの若者のはしゃいでいる声がうるさく、しかも喫煙オッケーの店だったりすると、もう最悪である。もういい年齢なんだから、もう少し落ち着いた店を選べないのかと、小一時間説教したくなる。ま、行かないから関係ないんだけど。
それはともかく、渋谷駅である。
とくに地下鉄に乗り換える時がたいへんである。重い荷物を持って移動したりしていると、途中で心が折れそうになる。最近は銀座線のホームが移動した所為で、嫌がらせか!というくらい、乗り換えが面倒になった。何のアトラクションなんだってくらいに、あちこちに引き回されたあげく、階段を何度も上らされて、よくもまあインバウンドだとかオリンピックだとかエラそうに言ったものだと、これもまた小一時間説教したくなる。さぞかし頭の悪い人が再開発をしているのだろうと、逆に哀れに思えてしまった。もっとも向こうからしたら、「田舎もんは渋谷に来るな!」ということだと思うのだけれど。
というわけで、できれば渋谷駅を通りたくないのだが、それでも、やむにやまれず渋谷駅を経由しなければならないときがあるのだ。昨日、「ひとり合宿」が終わって家に帰ってくるときがそうだった。なんとか使わない手はないかと考えてみたが、渋谷駅を避けるコースをとるとひどく時間がかかることがわかったので、やむなく渋谷駅経由を選択したのである。
銀座線を降りたときからすでに憂鬱である。ああ、ここからまた迷路のような階段を降り次いで乗り換えなければならないのか、と。
重い荷物を持ちながら移動していると、途中、渋谷のスクランブル交差点が見えた。
(緊急事態宣言っていってるのに、ぜんぜん緊急事態とは思えないほど、人が歩いているなあ…)
昨年春の「緊急事態宣言」の時は、本当に人出がなくて、「緊急事態」と呼ぶにふさわしい風景だったのだが、このたびの緊急事態宣言は前回とはまったく様子が異なる。
そこで僕はハッと気づいた。
「緊急事態宣言といいながら、緊急事態とは思えないような行動をするとは、これ如何に?」
「交通安全週間といいながら、ふだんと変わらない運転をするが如し」
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コメント
地方に住んでいる人ならば、この話はあるていどわかってくれることだと思うのだが。
「なんでラーメン屋が混んでるんだ」
こちらはラーメンの有名地だが、コロナの影響でさぞかし閑古鳥が鳴いているかと思いきや、Hの店外に行列ができている。
夏はともかく、冬になれば雪だらけになるのでHも行列はできなくなるのに、いつ行ってもラーメンが食べられないとは、一体どういう了見だ。
ものすごーく久しぶりに食べに行って分かったのは、どうやら店内の座卓の数を半分にしているので、地元の需要だけで供給を越えてしまっているらしいということだ。
だから、普段が行列なんかできない隠れ家的名店のSやTに、なぜか行列ができてしまうのである。
まあ、今日は何店舗も流浪したものの、本場よりおいしいKラーメンの店Yが、たまたま客足の途切れた時間に当たったらしく、転居後初めて入れたのでよかったけど。
「緊急事態宣言も出ていないのに、異常事態のような人出とは、これ如何に?」
「結局、ふだんの人出と変わらない如し」
投稿: 🐢 | 2021年1月26日 (火) 07時35分