謎のマ・ドンソク推し
『映画秘宝』界隈でいろいろと問題が起こっているようで、そこに巻き込まれてしまったライムスター宇多丸さんが、ラジオ番組の冒頭で経緯の説明をしていた。
その原因となったのが、今年1月5日の韓国映画特集だったそうなのだが、そういえば、その特集をまだ聴いていなかったなあと思い、ラジオクラウドで聴いてみることにした。
僕はここ最近の韓国映画をほとんど見ていない。「パラサイト」もまだ見ていない。こぶぎさんおすすめの「エクストリーム・ジョブ」も、こぶぎさんだけでなくいろんな人から薦められていたのだが、結局見ることができていない。コロナ前に映画館で見ておかなかったことが悔やまれる。
で、最近の韓国映画事情はどうなのだろう?と、アトロクの韓国映画特集を聴いてみたのだが、なんと、謎の「マ・ドンソク推し」なのである。正確に言えば、宇多丸さんがソン・ガンホ推し、宇垣美里アナがマ・ドンソク推しなのである。
宇多丸さんのソン・ガンホ押しは当然わかるにしても、マ・ドンソクって、誰?と、すぐに顔が思い浮かばない。そんな僕の疑問をよそに、宇垣美里アナは、マ・ドンソク愛に溢れたコメントを次々と繰り出している。「マ・ドンソク出演映画にはずれなし」とまで言っているぞ。
あまりに気になったので、画像検索をしてみたところ、ああ、あの俳優さんか!あの俳優さん、マ・ドンソクって言うのか!と、はじめてその俳優さんの名前がマ・ドンソクであることを知ったのである。
たしかに顔を見ただけで思い出すんだから、印象的な存在感の俳優である。あくまでも僕の印象だが、大友康平をすげえマッチョにした感じ(たぶん異論はあると思う)で、僕にとってはハ・ジョンウ主演の「群盗」を見たときに、鮮烈な印象を残した。というか、それ以外の出演作はたぶん見ていない。
見た目は決して二枚目とは言えない。これが少しむかしならば、美形で細面の男性俳優のファンであることを公言する女性タレントは多かったと思うのだが、宇垣美里アナは、そうではなく、マ・ドンソクを選んだのである。このあたりの宇垣アナの選球眼には、舌を巻かざるを得ない。
『別冊映画秘宝』の韓国映画特集というのをちらっと見てみたが、表紙がなんとマ・ドンソクである(そして表紙のデザインは高橋ヨシキさん)。冒頭からかなりのページ数をさいて、マ・ドンソク特集と、マ・ドンソク愛を語る宇垣美里アナへのロングインタビューへと続く。つまり宇垣美里アナのマ・ドンソク愛に、『映画秘宝』の編集部もすっかりほだされてしまったのだ。こうなると時代はもうマ・ドンソクである。
「最近本屋さんに行くと、本の帯に、武田砂鉄さんか、宇垣美里さんか、というくらい、二人の推薦コメントを見かける」(byアシタノカレッジ)と言われるほど、宇垣美里アナの影響力が大きいことを実感させられる。僕の若いころで言えば、キョンキョンがオールナイトニッポンで、「『ライ麦畑でつかまえて』がおもしろいのよねえ」とひとこと言ったとたん、翌日全国の書店から『ライ麦畑でつかまえて』が売り切れる、という現象が起きたのと同じようなものである。
しかし、僕は言いたい。マ・ドンソクのほかにも、いぶし銀の役者は多いぞ!
ラジオではあまり取り上げられてなかったが、キム・ユンソク、リュ・スンリョン、ユ・ヘジン、クァク・ドウォン・ファン・ジョンミン、シン・ハギュン、オ・ダルス…あげだしたらきりがない。
クァク・ドウォンなんかねえ、松尾諭という役者が出てきたとき、「日本にもクァク・ドウォンがいた!」と思ったもん。僕の中では松尾諭=クァク・ドウォンなのだ。
こんなことを僕がいくら言ってみたところで、宇垣美里アナのマ・ドンソク推しには足下にも及ばないのだろうな…。
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