初夢を語る
最近、2歳9か月の娘がしきりに観ているのは、年末に録画しておいた「おかあさんといっしょスペシャル プリンセス・ミミィと音の城」である。
「あつこおねえさんがツルツルめんめんをたべているテビルがみた〜い」
と言われ、一瞬、何のことかわからなかったのだが、たしか前述の番組の中で、あつこおねえさんがラーメンを食べているシーンがあったことを思い出し、その番組を再生し、「これ?」と聞いたら「そう」と答えたので、以降はこの番組ばかりを繰り返し観ている。
地下の迷路で迷子になったあつこおねえさんが、モグラが経営しているラーメン屋の屋台を見つけて、そこでラーメンを食べる、という、言葉で説明しただけでは何のこっちゃわからないシチュエーションなのだが、そこであつこおねえさんは、本物のラーメンではなく、よくできた小道具のラーメンを持って、麺をすすっている(ふりをしている)のだが、その食べっぷりが、見ていて気持ちいいのである。
はは~ん。娘も、あつこおねえさんのこの食べっぷりがそこはかとなくおもしろいと思い、繰り返し観たいと思ったのかもしれない。
さて番組は、迷子になったあつこおねえさんをほかのメンバーが地下の迷路を探しまわるという、これまた言葉で説明しただけではよくわからないストーリーが展開するのだが、その中で、ゆういちろうおにいさんが、「ホ!ホ!ホ!」という歌を歌う場面がある。
「会いたい人に 会いたいときは
呼んでみようよ その名前」
いままでなんとも思わなかったのだが、僕はその歌にある真理を見出だしたのである。
3年近く前、僕は、若い頃からの大ファンだった大林宣彦監督にインタビューするという幸運に見舞われたのだが、それは僕が、「大林監督の大ファンである」ということをその仕事の関係者にカミングアウトしたからである。
つまり、自分の憧れの人とか、手の届きそうにない人の名前を秘めずに、言葉に出せば、その人に近づくチャンスがある、ということなのだ。
昨年後半は、敬愛するラジオパーソナリティーに2度もお便りが読まれたからね。やはり自分から行動しなければ、そういう機会は生まれないのだ。ようやくこの年齢になってわかった。
僕は初夢というのを、いままでほとんど見たことがないのだが、今年見た初夢は、はっきりと覚えている。
僕が武田砂鉄さんのラジオ番組にゲストで呼ばれたのだが、武田砂鉄さんが「誰だ?こいつ」という感じで、ほとんど相手にしてもらえなかった、という夢である。
もう、どんだけラジオに取り憑かれているんだ?
とくに昨年は、新型コロナウィルスの影響で車通勤をするようになり、車の中でラジオを聴く機会が格段に増えた。それに、ラジオ番組でリクエスト曲がかかったり、実名でお便りが読まれたりと、成功体験が続いたことも大きい。
しかし初夢から覚めて、僕は落ち込んだ。そうだ。そうなんだよな。僕はラジオに呼ばれるほどおもしろい仕事をしていないのだ。
せっかくだから、ゲストに呼ばれたい番組を書いておくと、宇多丸さんのアトロク、チキさんのSession、大竹さんのゴールデンラジオ、砂鉄さんのアシタノカレッジ、あたりなのだが、どれもハードルがとても高い。呼ばれたい番組名を言葉に出しておけば、いつか呼ばれることがあるだろうか…。
しかし、それを心の中に秘めていて何も行動しない、というのも悔しい。少しでもこれらの番組に近づくために、戦略を考えなくてはいけない。
自分自身がおもしろい仕事をするというのが一番なのだが、当分の間それができそうにないので、別の戦略をいま、考えているところである。
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