○的なるもの
2月24日(水)
職場のイベントを見に来るお客さんの中に、「マスクをしない主義」の家族がいて、ちょっとしたトラブルになったということが、職場のコロナ対策の会議で話題になった。
マスクをしてください、というと、その一家は「マスクをしない主義だ」と言って、イベント会場に入ってゆく。イベント会場では、マスクをしている人たちが、マスクをしていない家族を見て、「なんでマスクをしろと注意しないんだ!」と、会場スタッフにクレームをつける。
これはたいへんだということで、「マスク未着用の方には会場に入るのを遠慮いただく」という方針が決まった。
しかし、なんかモヤモヤする。
もしどんな人でも、マスク未着用ならば会場には入れないとなると、たとえば、2歳10か月のうちの娘はどうなるのだろう?
そこで質問した。
「あのう…たとえばうちの娘はまだ2歳なんですけど、2歳の子にもマスクの着用を義務づけるということですか?」
「はぁ、そうなります」
「ちょ、ちょっと待ってください。たしかWHOは、幼児はマスクをするとかえって窒息などの健康上の被害が懸念されるので、マスクは着けない方がいいと奨励していたはずです」
考えてみれば、この会議は、全員が男性である。しかも平均年齢は高い。ひょっとして、「幼児はマスクをするとかえって健康上の問題が生ずる」ということを、わかっていないのではないだろうか?
平均年齢の高い男性だけでルールを決めたら、男性からみえない部分がすっぽりと抜け落ちてしまう典型のような事例である。
ちなみにWHOは、5歳未満の子どもにはマスクを着けるのを推奨しないとしている。
厚生労働省は、昨年8月に、2歳未満の子どもは息苦しさを訴えたり、自力でマスクを外したりするのが難しく、窒息や熱中症のリスクが高まるとして、着用させないよう呼びかけていた。冬場のいまはどうかわからないが、窒息のリスクがあることには変わらない。
森喜朗の発言以降、景色が違って見えるようになってきた。
たとえば、こんなこともそう。
職場の僕のメールボックスに、パンフレットが入っていた。親会社が、有識者を集めて応援団をこしらえて、これからいろいろと盛り立てていこうというイベントを企画しているという。
パンフレットを見て驚いた。たしかに有識者には違いないのだが、応援団の11名中、女性は2名しかいない。しかも男性のほとんどは高齢者である。
その2名の女性というのも、たいへん有名な人なのだが、僕から見たら、どちらかといえば「わきまえる」側の人である。ああ、わきまえる人を選んだんだな、ということが、すぐにわかった。
しかも、である。
当日のイベントの登壇者、つまり講釈をたれるのは基本的にすべて高齢の男性。で、女性はというと、2名のうちの一人がそのイベントに出席し、司会をするのである。女性はやはりお飾りなのか???
今時こんなイベントをして、炎上しないのだろうか???と、ドキドキしてしまう。
いままであたりまえのように思っていた風景が、一転して、モヤモヤしたものになってしまう。おそらく、こういうことを不自然だと思えるような感覚を、一人ひとり持ち続けていくことが大事なのだろう。
しかしながら、これを不自然と感じないまま、イベントを誇らしげに行う人たちも厳然として存在する。「森的なるもの」は、すぐ近くに存在するのだ。
ちょっと前のニュースで見たのだが、今の国連事務総長は、自分が外部から会議に招かれたときに、男性しかパネリストがいなかったら、出席を拒否するのだという。ある時事務総長が日本に招かれて、会議のパネラーとして登壇してくださいと言われたのだが、パネラーが全員男性だったので、国連側は、「これでは事務総長は出席できません」と土壇場で断った。慌てた日本側の主催者は、たまたま司会者が女性だったので、女性の出席者もいますと説明して、なんとか出席してもらった、という。
親会社のイベントのパンフレットを見て、この話を思い出したのである。
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コメント
蜃気楼様のご発言とその後守ろうとした方々は甚だ問題ですが、蜃気楼様的な人や空気は色々なところに存在する。
それが普通ではない事に気づかない人は言わずもがなですが、それがおかしいと思っていても黙って見過ごしてしまう人も、結局は蜃気楼様的なものを許しているので意味がないのかなとか思ったり・・・。
ただオカシイオカシイって叫ぶのも変な気がしたり・・・。
「ダイバーシティー認めない」「LGBT認めない」奴らは悪!みたいな空気も不自然な気がしますし・・・。
奥が深いですね。
投稿: 江戸川 | 2021年2月25日 (木) 19時45分
職場のイベントを見に来るお客さんの中に、「やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を聴かない主義」の家族がいて、ちょっとしたトラブルになったということが、職場のラジコ対策の会議で話題になった。
やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を聴いてください、というと、その一家は「ラジオはQRとTBSだけしか聴かない主義だ」と言って、イベント会場に入ってゆく。イベント会場では、やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を聴いている人たちが、やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を聴かない家族を見て、「なんでやきそばかおるの推す地方ラジオ局番組は太田光の推す地方ラジオ局番組と結構重なっているから聴いてみろと注意しないんだ!」と、会場スタッフにクレームをつける。
これはたいへんだということで、「やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を未聴取の方には会場に入るのを遠慮いただく」という方針が決まった。
しかし、なんかモヤモヤする。
もしどんな人でも、やきそばかおるの推す地方ラジオ局番組を未聴取ならば会場には入れないとなると、たとえば、2歳10か月のうちの娘はどうなるのだろう?
そこで質問した。
「あのう…たとえばうちの娘はまだ2歳なんで大竹まことしか聴かせていないのですけど、2歳の子にもやきそばかおるの推す地方ラジオ局番組の聴取を義務づけるということですか?」
「さすがに小さなお子様に横山雄二アナは早すぎると思いますので、福島のぶひろアナから始めてはいかがでしょうか」
投稿: 🐢 | 2021年2月26日 (金) 22時38分