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文化センター

散歩していると、むかしのことをよく思い出したりする。

僕が子どものころに住んでいた町、-といっても、30歳まで住んでいたのだが-には、市内の各地域に「文化センター」というのがあった。僕は小学生のころ、学校が終わると、文化センターによく通った。というよりも、放課後に何もすることがないと、とりあえず文化センターに行ったのである。

同居していた祖母も、毎日のように文化センターに通っていた。

その文化センターは、1階に児童遊戯施設や工作室があり、2階に高齢者用に解放された畳敷きの大広間がある。たしか、お風呂もあったんじゃないかなあ。そこはいわば高齢者のたまり場のようなところだったので、祖母は毎日、そこに通っては、日がな一日過ごしたのである。

3階は図書館と読書室があり、僕はもっぱら、1階と3階をよく使っていた。とくに図書館には入り浸っていたなあ。

中学生くらいになると通わなくなったが、高校3年の時、受験勉強のために3階の読書室を利用するために、ふたたび通うようになった。あるとき、初恋の女の子がやはり読書室で受験勉強をしていて、ドキドキしたものだが、とくにドラマや映画のような展開にはならず、翌年僕は浪人した。

それはともかく、3階の図書館は、市内の中央図書館にくらべるとはるかに小さな規模だったが、それでも小学生の僕の読書欲を満足させるに十分な世界だった。今でも図書館とか職場の図書室に行くと多幸感に溢れるのは、小学生の時の原体験があるからだろうな。とくにいま、職場の雑務から現実逃避して、数分でも図書室にこもる時間が最高の時間なのである。

文化センターにはもう30年くらい行ってないと思うのだが、最近、なぜか文化センターに通う夢をよく見るようになった。なぜなのかはよくわからない。娘を連れて実家に行くことが多くなったが、実家から近い文化センターにはまだ娘を連れて行っていない。コロナが収束したら、娘を連れて久しぶりに文化センターに行ってみようか。

今住んでいる市には、各地域に「コミュニティセンター」があるのだが、僕が通っていた「文化センター」とはややイメージが違っていて、気軽に立ち寄るような雰囲気ではないような気がする。やはり図書館の有無が大きいのかもしれない。

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