俺は何をやっているのか
4月12日(月)
先週の水曜(4月7日)、都内で会合があった折に、偉い先生から、
「4月27日に韓国が主催するオンライン国際会合で、15分でも20分でもいいので発表してください」
と言われた。なんとも寝耳に水の話である。
僕が逡巡をしていると、
「あとで事務局に伝えます。追って事務局から連絡が来ると思いますので、よろしく」
おいおい!そんな乱暴な!
そもそもその国際会合は、半年くらい前から計画を練って、当日の発表者も人選していたんじゃないか?当然、当日のタイムテーブルも決まっているはずである。
それを20日前に変更するなんてことして大丈夫なのか?東京五輪じゃないんだから。
するとその翌日に、事務局をしている韓国の方からメールが来た。当日の午後3時頃から25分ほど時間をとってくれるらしい。急遽作り替えたと思われるタイムテーブルが添付されていた。
短い内容のメールだったが、行間から、いきなり偉い先生に言われてタイムテーブルの変更を余儀なくされたことへの困惑した気持ちが感じられた。
(俺がごり押しして発表を希望した感じになっていないだろうか?)
と僕は少し心配になったが、考えても仕方がない。
それよりも心配なのは、いつまでに原稿を出したらいいのか、という肝心な情報が、まるでないことである。ま、いつものことといえばいつものことなのだが、僕はこれまでの経験と与えられた発表時間から類推して、原稿の量を考えた。
原稿だけではない。これまでの経験によると、原稿そのものは翻訳されず、要旨だけが中国語や韓国語に翻訳されている。ということは、原稿と一緒に要旨も書いて提出しなければならないのではないだろうか?
あくまでも僕の推測なのだが、何の連絡も来ない以上、僕の推測に任せて原稿と要旨を作るしかない。
いろいろと逆算してみると、今日のうちに原稿と要旨を提出しなければならないのではないか(これも僕の推測)という結論になり、僕は今日一日かけて、原稿を作ることにした。
原稿といっても、文章原稿を6000字程度のほかに、図版10点くらいを準備しなければならない。
この図版がまたたいへんである。原稿の内容に合う図版を見つけてきて、片っ端からスキャンして、トリミングして、その中から選択して、レイアウトする。この作業がとてもめんどくさい。
原稿もまた面倒である。書き殴ってよいものではなく、いずれ翻訳される可能性もあるし、文化的差異もあるので、そうしたことに配慮した書き方をしなければならない。こっちではあたりまえと思っている知識が、むこうではまったく知られていない、なんてことはざらだからね。
そんなこんなで悪戦苦闘して、なんとか6000字弱の原稿と1000字程度の要旨を仕上げ、10点程度の図版をレイアウトしたものを付けて、先方にメールで送信した。
はっきり言って、かなりのやっつけ仕事である。
今日はこれしかできなかった。まったく俺は何をやっているのか?
しかし、早くこの仕事から逃れたいと思っていたので、やれやれである。僕は先方に、「原稿の提出先や締切や分量など何も教えていただいてないので、とりあえずこちらで考えたものをお送りします」と、なかばイヤミを書いてお送りした。
やれやれと思っていたら、韓国の事務局の方から連絡が来た。
「中国の○○先生から突然連絡が来て、自分も発表したいと希望されましたので、やむを得ずタイムテーブルを変更いたします。これが最終版のプログラムです」
今度は明らかに困惑した様子がメールからうかがえた。
僕の発表時間は、その先生のおかげでさらに30分ほど後ろ倒しされることになった。
ま、想定内だから別に驚かない。「これが最終版のプログラムです」といったが、本当に最終版なのか、安心はできない。
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