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セレブの会

5月6日(木)

お昼頃、自宅から車で1時間以上かかる総合病院で、定期の診察。

連休明けのせいか、病院は激混みで、僕の診察時間も、予定よりも大幅に遅れた。

僕の通っている病院は、コロナの指定病院とかではないと思うのだが、それでも医者の先生や看護師さんはてんてこ舞いである。

これでどうやって、東京五輪の際の医者や看護師をボランティアで募集できるというのだろう?僕にはよくわからない。

薬局で薬をもらい、急いで職場に向かい、午後3時からの打ち合わせにギリギリ間に合った。

あれこれと仕事がたまっていたこともあり、久しぶりの職場は、疲れる。

ところで僕は、とあるセレブの会に入会している。といっても、年会費は払ったことがなく、定期的に会報が送られてくるだけで、その会報も、ほとんど読んだことはない。

今日、会報の最新号が送られてきて、パラパラと見ていたら、コラムみたいなところに、こんな文章が載っていた。

「松山英樹選手、マスターズ優勝おめでとう!日本人初そしてアジア人初という快挙です。

(中略)

松山選手の優勝、池江選手の復活など、スポーツは人々に勇気と感動、そして夢を与えてくれます。

さあ、東京オリンピックです。国境を越えたスポーツの祭典が開催され、皆様と一緒に楽しみ、感動を分かち合えることを願っています」

とまあ、これだけ。

おかしくね?

新型コロナウイルスのことに、まったくふれていないんだぜ。まるでなかったことのように書かれている。

「(中略)」の部分には何が書かれていたかというと、この原稿の締め切りが4月12日なのだが、ゴルフのマスターズで松山選手出場の予定が4月11までだったので、結果を確認してから書こうと思い、ギリギリまで待ったところ、はたして松山選手が優勝し、皆様にこの喜びと感動をお伝えすることができた、という内容である。

ちなみに4月12日に発表された感染者数は、東京421人、大阪760人。全国で2777人。この日は月曜日なので、週の中では感染者数が比較的少なく出る傾向にある。それでもこの数字である。

数十年後の歴史家が、新型コロナウイルスの感染の拡大がまるでなかったかのように、東京五輪の開催を無邪気に望んでいる文章を、しかも当時のセレブたちが書いた中からいくつも見つけたとき、どんなことを思うのだろうかと、僕は思いをめぐらせた。

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