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残念なオンライン会議

5月17日(月)

午前中は、都内にある本社とのオンライン打ち合わせである。

僕は初めてその打ち合わせに参加したのだが、それはまことに奇妙な会議の形態だった。

うちの職場の側は、その打ち合わせに出席する(あるいは陪席する)全員が、社長室に集められる。僕もその打ち合わせに陪席しなければならなかったから、当然、2時間以上かけて出勤しなければならない。出勤後に社長室に行ったら、10名ほどの参加メンバーがいて、アクリル板はあるものの、さながら密な状態である。

一方、本社の側は、本社の会議室に、本社の社長以下、副社長等全員が集まっている。

つまり、「オンライン会議」とは名ばかりで、むかしのテレビ会議よろしく、たんに本社とうちの職場を相対する画面でつないでいるだけなのである。

なんか、おかしくね?

いまのこのご時世のオンライン会議というのは、一人ひとりがどこにいても、会議ができるようなシステムになっているのだ。パソコンとWi-Fiの環境さえあれば、どこからでも参加できる。たとえその日、どっちみち出勤しなければならない日だとしても、わざわざ1カ所に集まる必要などないのではないだろうか?それぞれの仕事部屋から参加すればいいだけの話である。

オンライン会議のメリットを、8割方、無意味なものにしているような気がしてならなかった。

なぜこんな形にしたのだろう?と考えてみたのだが、いくら考えてもわからない。唯一ありえそうな可能性は「みんなと一緒にいないと不安だから」という理由しか思いつかない。

そういえば先日、荻上チキ「Session」でテレワークの特集をやっていたときに、ゲストの方がこんなことを言っていた。

「50歳よりも上の人間は、テレワークを信用していない。50歳の人の人は、Windows95がでたときに28歳だった。ということは、社会人になったときはパソコンベースの仕事を一切していないので、パソコンがない形での、対面での仕事こそが仕事のやり方であるという意識が拭えないのだ」と。正確ではないが、そんなことを言っていた。

そう言われてみれば、本社の社長や副社長は、いずれも60歳以上の男性ばかり。こちらも、出席者のほとんどが50歳以上であった。

僕も含め、いまの50歳以上の人間がいなくならないと、真のテレワークの実現は難しいのかと、いささか絶望的な気持ちになる。

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