漫談
すこぶる体調が悪い。
それは、仕事への気力をそぐほどのものなのだが、体調不良の個人的要因と、構造的要因は、なんとなく想像がつく。だがそれを細かく書くこと自体、気力や体力を必要とするので、気力や体力の余裕があるときにあらためて書くことにする。
動画サイトをあさっていたら、NHKーFMで1984年放送されていた「タモリのジャズ特選」という番組があったので聴いてみた。タモリが自身のレコード・コレクションから厳選したナンバーを掛けながら、曲にまつわるエピソードやウンチクを語るといった内容なのだが、実際に聴いてみると、タモリが一人で立て板に水のごとく、ときに冗談を交えながら漫談をしていて、これが聴いていて実に心地よい。
この「立て板に水の漫談」の感覚、何かと共通しているなあ、と思ってよく考えたら、伊奈かっぺいの漫談を聞いたときの感覚と、非常に近いものがあった。あくまでも僕自身の感覚だが。
もちろん、青森の伊奈かっぺいと福岡のタモリでは、おそらく小さい頃からの言語形成がまったく異なると思うのだけれど、話術というか話芸を極めれば、ある究極のスタイルに行き着くのではないか、という気にすらさせてくれるのである。
久しぶりに、漫談あるいはひとり語りといったものに注目したくなった。久しぶりに、伊奈かっぺいの漫談を聴いてみようか。
文化放送「大竹まこと ゴールデンラジオ」を聴いていたら、きたろうが、いまYouTubeでおもしろいのは、「街裏ぴんく」という芸人の漫談だ、この人の漫談がむちゃくちゃなのだが、その熱量がすごい、と絶賛していた。
それを聞いて、僕も聴いてみたのだが、たしかにむちゃくちゃでおもしろい。「ちょっとどうかしている」話を、「鶴瓶噺」のような話法で、さもほんとうにあった体験かのように、観客を強引にその世界観に引き込んでしまう。ああいう発想はどこから来るのだろう、とただただ感服するばかりである。
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伊奈かっぺいトークライブ【津軽弁で遊ぶ】 https://youtu.be/ITX8JKI12DE
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投稿: 🐢 | 2021年6月17日 (木) 23時00分