「はがきでこんにちは」をラジオ遺産に!
先週の土曜日、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」は、「ありがとう、若山弦蔵さん」と題する、若山弦蔵さんの追悼特集だった。
リアルタイムで聴くことができなかったので、radikoのタイムフリーで聴いたのだが、ゲストは毒蝮三太夫さんで、マムシさんらしい毒舌で、若山弦蔵さんの思い出話を語っていた。
僕の中で、TBSラジオ平日の帯番組の「レジェンド・パーソナリティー」というのは、近石真介、大沢悠里、若山弦蔵、毒蝮三太夫の4人なのだが、(土日を含めるとこれに永六輔が加わる)。実際、この4人は、たまに会って飲みに行く間柄だったらしい(ただし近石真介さんは下戸)。
TBSラジオの平日のワイド番組は、一時期、というか僕が小学生の頃は、近石真介→大沢悠里→若山弦蔵というリレーでおこなわれた。いまでいうと、伊集院光→ジェーン・スー→赤江珠緒→荻上チキの流れに相当する。
さて、この番組の中盤ごろ、近石真介さんが電話出演して、若山弦蔵さんの思い出を語っていた。近石さんは現在90歳である。
僕は、この4人の中でも、とりわけ近石真介さんに思い入れがあり、僕のラジオの原体験だった。久しぶりに聴く声を懐かしく思ったのだが、さすがに90歳ともなると、電話口の声に衰えを感じないわけにはいかず、それでも、お元気そうな声ではっきりとお話になっていたことに安堵した。
しかし番組で大沢悠里さんが語っていたところによると、近石さんは昨年、体調を崩されたらしい。声の伸びやかさがかつてほどではないなあ、と感じたのは、そのせいかもしれない。
「最近はほとんど仕事をしていない」と言っていたので、気になって調べてみると、近石さんのラジオ番組「はがきでこんにちは」が、2020年9月25日に終了したとあった(Wikipediaによる)。1971年10月4日のスタート以来、49年の歴史に幕を閉じたことになる。
以前にも書いたが、「はがきでこんにちは」は、5分の番組で、近石さんが視聴者から寄せられた1枚のはがきを読み、それについて近石さんがコメントを言う、という、実にシンプルな内容で、はがきの内容も、日常のごくありふれた話ばかりで、近年のようにウケをねらったような内容では決してない。
とりとめのないはがきの内容に、近石さんが共感しながらとりとめのないコメントを言う、そしてそのコメントを聞きたいというリスナーがまたとりとめのない内容のはがきを送る、というサイクルで、49年も続けてきたのである。
くり返すが、これこそが、ラジオ番組の究極の形、最終形態なのではないか!
何度でも言う。「はがきでこんにちは」をラジオ遺産に!と。
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