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汗だく取材3時間半

7月18日(日)

2週間ほど前だったか、テレビ局から取材の依頼があった。

僕は以前に一度、テレビの取材を受けたことがきっかけで、テレビの取材はお断りすることにしているのだが、今回は断れない事情があった。

3年ほど前から、あることがきっかけで、僕は父と同じ年に生まれたある方ー仮にSさんと呼ぶーの人生と関わることになった。そのSさんが、8月に放送される特別番組の中で、インタビューを受けることになったという。で、そのSさんが、たっての希望で、ぜひ鬼瓦さんのことも取材してほしいという話になり、そうなるともう、断ることはできない。

お電話でそのディレクターに話を聞いてみると、8月15日の敗戦の日に放送する特別番組だということと、そのディレクターの誠実な対応にほだされて、お引き受けすることにした。

問題は、取材の日程である。

僕はこのところ体調が思わしくなく、ひとり合宿も予定されていたので、体力的にも日程的にも、とくに平日は、なかなか難しい状況にあった。

「むしろ休日にしていただくとありがたいです」とディレクター。

理由を聞いてみると、

「実は、鬼瓦さんの職場まで、リポーターが同行する予定でして、そのリポーターが、平日の夕方にニュース番組を担当している者なのです」

テレビ局の名前から、平日夕方のニュース番組の出演者の顔はすぐに思い浮かんだ。

まさか、あの人が???

たしかメインキャスターは、アナウンサーではなく、タレントとして活躍している人だったよな。

しかしどう考えても、その売れっ子タレントが、休日に半日かけて、うちの職場くんだりに来るはずはない。

そうこうしているうちに、当日を迎えた。

前日まで、体調が今ひとつで、どうなるか心配したが、今日は昨日にくらべると、体調はいくらかはマシである。

この日は、首都高速値上げ前の最後の日だった。車で職場に着くと、案の定、休日なので職場には同僚は1人も来ていない。

取材の時間は午後2時からだったが、午前中から、取材の時に映してもらう機械の設営などをしこしことおこなった。機械の調子もよく、準備も万端である。

午後2時、時間通りに取材陣が到着した。ディレクターと、リポーターと、カメラマンと、カメラアシスタントの4名である。

リポーターは、あの人ではなく、横にいる局アナの方だった。局アナの方も、平日、毎日ニュース番組に出て、休日にはうちの職場くんだりまで来るとは、たいへんだなあ、と僕は同情した。

僕はてっきり、少しばかり話をしたりデモンストレーションをしたりして終わるのかと思っていたが、リポーターの局アナとからんだり、ディレクターの求めに応じていろいろとお話ししたり、実際に作業をやって見せたりと、取材時間はじつに3時間半におよんだ。

話をしながらも、次から次へと汗が噴き出してくる。カメラはどうやらその様子をずっととらえているので、途中で汗を拭うタイミングもわからない。

ということで僕はずっと額に玉のような汗を浮かべながら、カメラの前で喋っていた。もし汗だくの僕が映っていたら、視聴者はそればかりが気になって、話の中身は入ってこないだろうな。

といっても、僕はカメラをまったく意識せず、レポーターに向かって喋ったり、ひとり語りをしたりしていたので、はたして僕自身の姿が写っているのかすら、わからなかった。まあ、3時間半も撮って、実際に流れるのは数十秒なのだろう。

夕方5時半過ぎに取材陣は撤収作業を始めた。

「今日は長時間にわたってありがとうございました」

「いえいえ」

「この番組は、8月15日の午後に放送されます」

「そうですか」

「ただ、まことに申し訳ないのですが」

「はぁ」

「この番組、関東ローカルなんです」

なんと!全国放送じゃなかったんだ。

というわけで残念ながら、こぶぎさんは見ることができない。それよりも、この番組の主人公の一人となるであろうSさんも、お住まいが関東以外なので、やはり見ることができないのだ。

僕は全国に恥をさらさなくてよかったと思う反面、関東以外で見てもらいたい人に見てもらえないのが残念で、じつに複雑な気持ちである。

さて取材陣が帰った後、僕は、その番組で使ってくれるかもしれないと思う資料をまた1人でしこしこと作成した。ま、僕がよかれと思って勝手に作っているだけなので、それが番組で使われるかどうかはわからない。

すべての作業が終わったのが午後10時頃である。明日からは、体調の問題もあり、しばらくはテレワークである。

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職場の出来事」カテゴリの記事

コメント

(本格派シリーズ)本格的な猛暑を克服した証として

梅雨明けと同時に、ものすごく暑くなった。

家には冷房がないから、ワクチン接種2回目を目前にして、これは困る。

普段は職場のクーラーでしのいでいるのだが、特別休暇中は職場に行けず、かといって摂氏35度の部屋で寝ていれば、副反応以前に熱中症で病院行きだ。

意を決してクーラーを買うことにした。据え付け工事無用ですぐに使える「移動式エアコン」である。

ところが、この酷暑で同じことを考えた人は少なくないらしく、電気屋とホームセンターをハシゴしても、どこも売り切れ。

それでも4店目の農機具がメインのホームセンターで在庫を見つけて即買いした。

小ぶりの冷蔵庫くらいの大きさで、バカみたいに重い箱を、ひきずるようにして家に運び入れ、梱包を解いて、もろもろ組み立ててスイッチを入れると、これがまあ奥さん、たいそう涼しいじゃありませんか。

さすが文明の利器。令和の三種の神器。

これぞ本格的な猛暑を克服した証である。

もっとも、室外機が分かれていないので、カーエアコン並みの轟音が始終し続けているが、今年も使い始めたハンモックの傍らに置いて寝転ぶと、自宅に居ながら「高原にいらっしゃい」のこころ持ちだ。

まあ、騒音がうるさいから「いらっしゃい」と呼ぶ声は聞こえないのだが。

とまれ、これで2回目の「ひとり自宅合宿」も無事に迎えられそうである。

というか、明日からの四連休も、わざわざ職場へ避暑に行くまでもなく、ずっと自宅で過ごせるではないか。

じゃ、オリンピックでも見るか。

スポーツ観戦など普段は全くしないのだが、近田春夫の「正調オリパラ音頭」にも歌われているように「参加することに意義がある」のだ。
https://youtu.be/GcoRplm8FI4

まずは馬術。

おやおや、競馬専門ケーブルテレビしか中継しないようだ。

じゃあ、自転車のロードレース。

なんと、これも中継がない。

見たい種目は視聴率が悪いのか、全く見られないようである。

オリンピック精神からアマチュアリズムを削除してしまった弊害が、商業主義となって、ここにも表れたのだろうか。

しょうがないから、ラジオ通の間で今、ひそかに話題の新潟放送ラジオ「スーパー・ササダンゴ・マシンのチェ・ジバラ」でも聞こうっと(Spotifyの「別冊アトロク」でも、番外編が聞けるよ)。

投稿: 🐢🏅 | 2021年7月22日 (木) 00時01分

ロードバイク決勝はgorin.jpで無料生配信(英語音声のみ)しているではないか。ふきだまり聖地も通過。沿道に観客集まっているな。

それにしてもこの暑さで、230km無休憩で箱根超えと富士山のコースなんてどうかしてる。こちとら選手より自転車メーカーを応援してるから、もっと写せ(Giant 加油!)。

夕方、涼しくなったら漕ぎに行こうか。

投稿: 🐢🚴 | 2021年7月24日 (土) 12時20分

自転車競技のコースは、ちょうど、自宅から僕の実家に車で行くときのルートが重なっていて、競技本番の日の午前中に、実家に行く必要があったため、迂回して行く羽目になりました。

午前11時半頃に実家の近くまで来ると、今まで見たことのない人の数が、うちの前の道路を歩いたり自転車をこいだりしています。

ははーん、さては自転車競技の選手たちが実家の近くの街道を通り過ぎたのだな、それで沿道で見ていたみんなが帰途についているのだと想像しました。

おもしろいもので、沿道の見学者は、かなりの比率で自転車に乗っていた人が多かったです。ロードバイクで来ている人もいました。やはり自転車好きが集まったのでしょうね。

投稿: onigawaragonzou | 2021年7月24日 (土) 13時15分

ということは、鬼瓦さんもヘリコプターの中継映像に映っているかもしれないということですね。

競馬場の横とか「両側にショッピングセンターのある駅」とか通りましたからね。ちなみに「高原にいらっしゃいのホテル」付近には行きませんでしたが、県は同じ。

よい子の吹きだまらーの皆さんは、分かったかな?

テレビ生中継もないし、ツール・ド・フランスに出ていた有名選手が走ってたそうなので、自転車ファンは見たいのではないかと。例えるなら、グラミー賞に出ていたBTSが近所の商店街をママチャリで走る感じですかね。

なにしろ、7時間の長丁場なので、途中寝てしまい、見どころを逃したのは残念でしたが、

選手同士が話しながら走ってたり(もちろんマスクはしてない)、途中で「お弁当袋」を配ったり、車で並走しながら選手のシューズを履き替えさせたり。

表彰式は、偉い人がお盆にメダル3つを並べてのせて運び、選手本人が自分で首にかける。「金の斧・銀の斧」みたいに、選手に選ばせていたのが面白かったんですが、

でも1位の表彰台に2位も3位も乗せて、マスクを取って肩を組むのが人情というもの(後でマスクさせてフォトタイムをしてたけど)。大体、炎天下240キロを走ってきたゴール直後の選手にマスクを配って、どうしたいのか。

観客だって交通規制してるんだから、ここがルートだってお知らせしているようなもの。

だって世界規模の「体育祭」だもの。ルールなど破ってこその非日常・祝祭空間なのだ。

というわけで、たぶんコロナはこのまま広まるので、遠出せず、テレビ放映のないマイナー競技だけを観て過ごすことにします。

(追伸)

開会式を見て思ったこと。

女でも男でも、話の長い人は長い。

ぎっくり腰(仮)、ご自愛くださいませ。

投稿: 🐢😷 | 2021年7月24日 (土) 20時45分

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