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なんとかファースト

すこぶる体調が悪い上に、来週は1回目のワクチン摂取も控えているので、今月は病院にお世話になる日が多くなると予想されるのだが、月の半ばに重要な会議が一つ入っており、そこだけははずせない。

それよりも何よりも、今月は東京オリンピックが開催される予定になっている。オリンピックが始まってしまうと、首都圏では交通規制をはじめ、日常生活にさまざまな制約がかかる。なかでも切実なのは、持病を持っていたり長期間にわたって治療をしている人たちが、しわ寄せをくらうことになることである。

開会式に合わせた4連休は当然休診日になるし、それ以外の平日も、病院への移動もままならない。さらにひどいところになると、オリンピック中は通常の治療行為ができないところもあると聞いた。

深刻な病気を抱えている人にとっては、まさに命に関わる問題である。

僕は実際に病気になってから、とくにそのことが気になって仕方がない。というか、深刻な持病を抱えている人ならば誰もがそう思うのではないだろうか。

都知事が過労で入院したという。それも、数日ではなく、1週間以上である。

それだけの期間入院していれば、病院の現状についてわかりそうなものである。もっとも特別待遇だからわからないのかもしれないが、それでも、五輪の開催によって病院がかなり無理を強いられていることくらい、実感できるのではないだろうか。

そうしたことを経験しても、五輪を開催するという考えに変わりないというのは、僕にはどうもわからない。

そうかと思えば、前首相がどこかの雑誌の対談の場で、「反日的な立場の人が五輪に反対している」と述べ、五輪開催を積極的に支持していた。というよりも、東京に五輪を招致した張本人の一人である。

だが彼はたしか、難病指定を受けている病気が理由で、退陣したはずである。その病気を経験した方の本を読んだことがあるが、人によってはきわめて深刻な事態を招くような病気で、そうした病気を抱えている人が、このコロナ禍で自信をもって五輪開催を主張できるという意味がまったく理解できない。この点において僕は、「仮病退陣説」を支持している。

コロナ禍の中でおこなわれる五輪のせいで、通常おこなわれるべき治療が滞ってしまうことに対して、治療を受けている人ならば誰もが不安に思うはずなのである。

もちろん、都知事や前首相が、そういった浮世の喧噪をよそに、特別待遇の病院で、いつ何時も、何不自由なく治療に専念できる特権を持っていることは十分に承知している。

病気で大変なのは、病気自体もさることながら、通院することそのものもまた、大きな負担である。自分の足で病院に行き、順番を待って検査を受け、検査結果がわかる数日後までやきもきし、数日後にまた病院に行って、長い間待たされたあげく検査結果を聞く。ことと次第によっては、治療を続けたり、入院したりする。その日程調整もまた大変である。そんなことを一つ一つ考えるだけでも、相当なストレスになるのである。

それに加えて、東京五輪の開催期間は通院や入院が制限される、なんてことになれば、さらに精神的なストレスはたまるのだ。

それだけでも、コロナ禍における東京五輪の開催は、反対するに十分な理由となるのだ。しかし政治家たちは、病気になっても、そこまでの想像力ははたらかない。「バブル」によって本当に守られているのは、アスリートでも五輪関係者でも、ましてや市民でもなく、ほかならぬ政治家なのではないだろうか。

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