カセットテープ
7月10日(土)
3歳4か月の娘を連れて、実家に行く。
今日は日中の気温が33度というので、公園には行かず、家の中で過ごす。
娘が昼寝をしている間、僕は以前から実家でやりたいと思っていたことを、重い腰を上げて実行することにした。
それは、カセットテープの探索である。
実家には10代の頃に使っていたカセットテープが何本もある。そのまま全部残っているわけではなく、かなりの数は廃棄処分にしたのだが、それでも数十本はまだ残っている。しかし、僕のズボラな性格が災いして、その多くは、そのカセットテープに何が録音されているのかを文字で記録して居らず、中身を聞いてみなければわからない。
しっかり記録しているものの多くは、友だちにレコードを借りて録音したもので、それはそのときに記録したために、中身を聞かなくてもどんな音源が入っているのかがわかる。
しかし、ラジオのエアチェックをして録音したものなんかは、まったく何も書いていないので、いちいち中身を聴いてみないとわからないのである。
今回の探索の目的は、2つである。
1.僕のリクエストはがきが初めて採用された、小学校6年の時のNHKラジオ「おしゃべり歌謡曲」 の音源である。たしか、録音したものをくり返し聴いていた記憶があるから、その回を録音したテープはどこかに残っているはずである。
2.高校生の時に聴いたFM東京「渡辺貞夫マイディアライフ」の中で放送された、1984年11月18日に中野サンプラザで行われた、東京フィルとのジョイントコンサートのライブ音源である。このときの「TSUMAGOI」という曲がとてもよかったので、もう一度聴きたいのである。
ということで、この2つを探すことを目的に、テープを片っ端から聴いたのだが、実家にあったテープレコーダーを使って、早送りをしたり巻き戻しをしたりしながら確認する作業は、とてもまどろっこしい!!もはやすっかりデジタル音源に自分の身体が慣れてしまっているのだなと痛感する。
結論から言うと、1.の音源は見つからず。2.の音源は、奇跡的に発見された。1984年12月8日放送分である。
以前にも書いたことがあるが、「渡辺貞夫 マイディアライフ」の冒頭の小林克也の語りはすばらしい。
今回見つけたのは、こんなオープニングである。
「夜、ピアノの部屋に五線紙が落ちていた。
古ぼけたボストン留学の頃の懐かしい1枚。
片隅に「貞夫へ」と、友人が巨匠の言葉を書き記した。
「君は学ぶべきだ。しかし君のハードワークは演奏の中に聞こえてはならない。
音楽はあたかも風の如く」-コールマン・ホーキンス-
ジャズ仲間に伝わるこの名句を、友は卒業の記念に書いてくれた。
夜更けの部屋に、そのとき、荒々しいけれど、どこか人なつっこい風の一吹きを感じた。
さわやかな香り。資生堂ブラバス。
この番組は、東京銀座資生堂の提供でお送りいたします」
この語りのバックに、渡辺貞夫の「マイ・ディア・ライフ」が流れるんだから、これ以上何を望むことがあろう。しかも土曜深夜12時に放送されていたんだぜ。贅沢な週末だったじゃあないか。
まあそれはともかく。
目的だった「TSUMAGOI」の1984年中野サンプラザバージョンを聴くことができて満足だったのだが、他のカセットテープの中にも、僕にとってとても懐かしいものや、すっかり忘れていたが「よくとっておいたなあ」と感激したものがいくつかあった。
NHK-FM「坂本龍一のサウンドストリート」の音源がいくつか残っていたが、なかでも「かしぶち哲郎コンサート」の模様を放送した回が残っていたことは、とても貴重だった。
NHK-FM「軽音楽をあなたに」という番組で放送されたバート・バカラック特集も懐かしかった。僕が高1の時である。たぶんNHKにも音源が残っていないのではないだろうか。当時これを聴いて、バカラックの曲を高校の吹奏楽部で演奏したいと思い、演奏会の曲目を決める「選曲会議」の場で、バカラックのある曲を推薦した記憶があるのだが、スコアがないという理由でまっ先に却下された。
あの曲は、いったいなんだったっけ?大人になってからバカラックのベスト盤みたいのを買ったりして聴いてみたのだが、どうしてもその曲が見つからない。
それが、このテープを聴いて解決した。「ストリートトーク」というタイトルの曲だった。
いまから思うと、なぜこの、バカラックの中でもそれほど有名ではない曲を吹奏楽で演奏したいと思ったのか、よくわからない。どうかしてたとしか言えない。
あとはねえ。
アルトサックス奏者のMALTAのライブ音源を録音しているものがいくつかあった。
なかでも感動したのは、「ゴールデンライブステージ」というラジオ番組で放送された、MALTAの初のコンサートの音源が残っていたことである。僕は高1の時、このコンサートに行った。たぶんこれが、自分でチケットを買って行った最初のコンサートだったと思う(以前にコンサートの場所を「新宿の厚生年金会館」と書いてしまったが、これは僕の記憶違いで、正しくは五反田の簡易保険ホールである)。記録によれば、コンサートの日は1984年11月17日であった。
ん?まてよ。そうすると、1984年11月17日に五反田の簡易保険ホールでMALTAのコンサートがあって、その翌日の18日に渡辺貞夫が中野サンプラザで東京フィルをしたがえてコンサートをしていた、ということか。まさに、アルトサックスの全盛期である!
それはともかく。
自分の行ったコンサートがラジオで放送されたことをまったく覚えていないのだが、当時は、エアチェックをしてちゃんと録音していたんだな。ネットのない当時にどうやってこういう情報をマメに集めていたのか、覚えていない。
MALTAのライブ音源は、ほかにも「ウィークエンドライブスペシャル」(1985年)というラジオ番組(たぶんNHK)でスタジオライブをしている回も録音していた。
あと、TBSラジオネタを二つ。
一つは、引き続きMALTAのライブ音源なのだが、TBSラジオ「ハニーサウンドオンライブ」という番組で、番組進行はなんと、先般亡くなられた若山弦蔵さん!これはかなり貴重ではないか!「ハニーサウンドオンライブ」のことは、若山弦蔵さんのWikipediaにも載ってないぞ!
もう一つは、「こんチワ近石真介」。1本だけ録音されていたものが残っていた。オープニングからエンディングまで残っている。全部は聴けなかったので、「口笛吹きと犬」のテーマ曲とともに始まる歯切れのいいオープニングトークと、「はがきでこんにちは」のコーナーを聴いた。懐かしい。ただし、聴くことはできるのだが、テープの状態が脆弱なので、くり返し再生するのがちょっと怖い。
…というわけで今回は、興味のない方にはまったくどうでもいいような内容を延々と書いてしまったが、これも読者離れキャンペーンの一環である。
で、結局何が言いたいかというと。
これらのカセットテープに記録された音を、できればデジタル化したい、と思っているのだが、簡易にできる方法などはあるのだろうか。あまりにめんどうなのであれば、やらない。
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コメント
ITに強い横綱犬の土佐司だワン。
テープを聞いているということは、カセットデッキは動くようなので、
ミニジャックのコードで、カセットデッキとパソコンの入力ラインをつないで、フリーの無料ソフト「Audacity」で録音するとよいワン。
パソコンの入力ラインへのケーブル接続方法
http://pino.to/choroku/manual/opr_pcconnect.htm
Audacityの録音のしかた
https://masashigoto.com/non/record
パソコンに入力ラインがなければ、USBオーディオ変換アダプタを買って、パソコンとUSB接続するか、
「カセットテープ MP3変換プレーヤー」(ハイポジ・クロムテープなど未対応なので注意だワン)を買って、パソコンとUSB接続するワン。
アナログのダビングは実時間(1時間の録音はダビングも1時間)がかかるワン。
カセットテープではないけれど、僕のご主人様がビデオテープのパソコン取り込みを行った時は、まるまる夏休みを費やしていたので、「辛抱だけが人生だ」のココロだワン。
投稿: 🐶 | 2021年7月12日 (月) 10時35分