長い前フリの「もしもシリーズ」
「令和3年8月18日、菅総理は、都内で日本経済団体連合会の十倉雅和(まさかず)会長と会談を行いました。
総理は、会談の冒頭の挨拶で次のように述べました。
『本日は、御多忙中にもかかわらず、また、突然の依頼にもかかわらず、こうして皆さんにお集まりいただきましたことに感謝申し上げます。常日頃から十倉会長を始め経団連の皆さんには、コロナ禍の中で、様々な御協力を頂いていますことに感謝申し上げます。
感染力が極めて強いデルタ株によって、陽性者が毎日のように数多く出ております。昨日、政府としては、東京始め首都圏の緊急事態宣言を延長し、あるいはまた、新規に全国的に指定する、そういう決断をさせていただきました。そういう中で、経済界の皆様には、更なる御負担をお掛けすることになりますけれど、是非、御協力をお願いしたいと思います。
国民の皆さんの命と暮らしを守る、これが政府の役割です。まず、医療体制の構築をすると同時に、感染を防止し、ワクチン接種。この3本の柱で、デルタ株収束に持っていきたいと思っております。
特に、今日お願いに参りましたのは、これを乗り越えるために、やはり人流、それと、クラスターがそれぞれの職場で、このところ発生いたしております。こうしたことを何としても食い止めなければならない。それと同時に、対策に効果的なのは、やはりテレワークでありまして、昨年の春に約7割削減のテレワークを行っていただきました。皆さんにとって、それぞれ、様々な業種があって難しい点もあろうかと思いますけれど、是非、このお盆明けから、テレワークに御協力いただきたいと思っています。
また、政府としても、事業者に対しての協力金だとか、あるいは雇用の確保、そこはしっかり支援させていただきます。さらに、ワクチン接種も進めて、経済社会の回復の道筋をしっかりと見出していきたいと思っています。
今日は、経団連の皆さんと忌憚(きたん)のない意見交換をして、また、皆さんの思いをお聞かせいただければと思っています。どうぞよろしくお願い申し上げます。』」
「令和3年8月19日、菅総理は、都内で経済同友会の櫻田謙悟代表幹事と会談を行いました。
総理は、会談の冒頭の挨拶で次のように述べました。
『本日は、大変お忙しい中を時間を頂きましてありがとうございます。また、常日頃から櫻田代表幹事を始め経済同友会の皆さんには、新型コロナ禍の中で様々な御協力を頂いていますことに感謝と御礼を申し上げます。
感染力が極めて強いデルタ株によって、感染者数が急激に増加いたしております。そういう中にあって、政府は、一昨日に、東京都を中心とする緊急事態宣言を延長させていただくことに致しました。そういう中にあって、医療体制、さらに、感染防止、ワクチン接種、こうしたことを3本の柱として、この感染を収束に持っていきたいと思っています。
そういう中で、本日は、こうした危機を乗り越えるために、やはり人流抑制。そして、クラスターが企業の職場の中でも発生しています。こうしたことを何としても防ぐためには、テレワークというのは極めて重要だと思っています。昨年の春には、出勤者7割減のテレワークを実現していただきました。極めて厳しい状況にあろうかと思いますけれども、是非、テレワーク。7割減の達成に向けて、御協力いただければと思っております。
また、政府としても、事業者への協力金や雇用調整助成金など、しっかり対応させていただきたいと思います。また、ワクチン接種も今進んでおりますけれども、その先には、経済社会の回復、そうした出口もしっかり考えていきたいと思っています。
是非、このような機会の中で忌憚(きたん)のない意見交換をして、感染防止に向けて進んでいきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。』」
「令和3年8月19日、菅総理は、都内で日本商工会議所の三村明夫会頭と会談を行いました。
総理は、会談の冒頭の挨拶で次のように述べました。
『本日は御多忙の中、こうして時間を取っていただきまして、ありがとうございます。また、日頃は三村会頭を始め日本商工会議所の皆さんには、コロナ禍の中で様々なことに御協力いただいていますことに感謝申し上げます。
感染力の強いデルタ株によって、今、感染者が毎日増え続けているような状況です。そうした中にあって、政府としては何としても、医療体制、さらに感染防止、そしてワクチン接種を3本柱として収束に向かわせていきたいという思いであります。一昨日、東京については緊急事態宣言を延長して、体制をしっかり構築していきたいと思っています。
こうした状況を乗り越えていくためには、人流を減少させる。そしてまた、職場の中のクラスターが発生していますので、これを何としても食い止めていかなければならない。そうしたことを考えたときに、テレワークをお願いさせていただきたい。そういうことで、今日、お伺いいたしました。特に、昨年春には、勤務されている方、7割減を達成していただきましたので、色んな業態があって、それぞれ特色があって、大変だと思いますけれども、特に中小企業、小規模事業者の皆さんに、できる限りの御協力を是非お願いしたいという思いで、今日はお伺いさせていただきました。
そしてまた、政府としても、協力金だとか、あるいは雇用調整助成金だとか、やるべきことはしっかり対応させていただきたいと思います。ワクチン接種等によって、経済回復の道筋もしっかりつけてまいりたいと思っています。そういう意味において、御協力いただきながら、この危機を乗り越えていきたいという思いでいますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。』
僕「…あのう…ひとつ、意見を申し上げてよろしいですか?」
菅「はい、どうぞ」
僕「テレワークを推進するというお願いを、わざわざ対面でおこなうって、どういことですか?」
菅「それは、その……テレワークって、何だっけ?」
僕「ダメだこりゃ!」
ところで、僕たちは、このコントみたいなちぐはぐな首相の行動を笑えるだろうか?
いまでも、けっこう対面による打合せが多い。とくに、公式な会議よりも非公式な打合せは、対面によることがほとんどである。
「現在、シャレにならないほど、全国の感染状況が悪化しているので、早急にこれまでの職場の各部署での対応の見直しを行わなければならない。ついては、対面による臨時の打合せをおこなって対応の整理を行う」
「リモートではダメなのですか?」
「こんなこと、リモートでやっていてはまとまらない」
これではいつまで経ってもテレワークによる出勤7割削減などと言った目標は達成できない。
テレワークに対する不信感、というのが、一定ていど組織内に存在する、というのがわかってきた。
とくに、上に立つ人間ほど、テレワークに対する不信感や不安感が大きいのではないだろうか。上に立つ人間が対面での打合せを望んでいたら、それに反対することなどできない。
そこが変わらない限り、テレワークの未来は、明るくない。
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