続・セレブの会
僕は、とあるセレブの会に入会している。といっても、年会費は払ったことがなく、定期的に会報が送られてくるだけで、その会報も、ほとんど読んだことはない。
今日、会報の最新号が送られてきて、パラパラと見ていたら、コラムみたいなところに、こんな文章が載っていた。正確に言えば、会報ではなく、会報に挟まっていたペラ1枚の「かわら版」と称するものである。ま、封を開いたらまっ先にゴミ箱に捨てられる運命にある広告である。
前回と同様、そこにコラムが載っていた。おそらく読み捨てられる運命にあるコラムである。捨てる前に読んでおこう。
「9月の声を聴き日差しも幾分和らいだとは言え、まだまだ暑い日が続いております。
長引く自粛による社会や心身の疲弊や、豪雨による自然災害に心を痛める一方で、東京オリンピックでのアスリートの方々のひたむきな努力による活躍は私たちの記憶に刻まれ感動と勇気を与えていただきました。日々のネガティブな報道の中で、不安な気持ちになっている国民への熱いエールになったと思います。スポーツが持つ力によって、日本中に笑顔の花が咲きました。そして、五輪運営を陰で支えていただいた医療従事者の皆様や、警察・消防他関係各位の皆様に敬意を表すとともに感謝申し上げます。
○○○○は行政からの要請に沿い変則的な営業となりご迷惑をおかけいたしますが、引き続き感染症対策に万全を期し、味覚の秋をご満喫いただけますよう準備を進めております。
従業員一同、皆様のご利用を心よりお待ち申し上げます。」
以上、ほぼ全文引用。
すごくない?
「新型コロナウィルス」とか「コロナ」って言葉が、まったく使われていないんだぜ。かろうじて「感染症」という言葉のみ。
とくに2段落目だけを読むと、「長引く自粛による社会や心身の疲弊」とか、「日々のネガティブな報道」という言い方をしていて、コロナがなかったことになっている。それでいて、「豪雨による自然災害」の方は具体的に書いている。
そもそも、コロナに関するニュースを、「ネガティブな報道」と片づけてしまっていいのか?事実だろう!
前回のこのコラムでも、新型コロナウィルスについての言及はまったくなかったのだ。これはもう、コロナという言葉を使うなと言うお達しが出ているに違いない。セレブの世界では、新型コロナウィルスがなかったことになっているのだ。
最近の報道によれば、東京でコロナに感染した患者が自宅に放置されている数は、2万人を超えているという。全国では10万人に届く勢いだという。
日本中に笑顔の花は、咲いているのだろうか?
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