群集心理
NHK-Eテレの「100分de名著」の「ル・ボン『群集心理』」が、期待通りおもしろかった。
武田砂鉄氏が、ラジオパーソナリティーとしての伊集院光氏の葛藤をうまく引き出していて、インタビュアーとしての実力を遺憾なく発揮していた。
番組の中で、伊集院氏が「1人はだませても、10人はだませませんよね、というのはなんとなく説得力があるじゃないですか。でも、もしかしたら、1人よりも30人の方がだましやすいんじゃないか」というと、それに対して、武田氏が「分母が増えると誰が決定したのか、なぜこうなったのかが追いにくくなる」と応じている。
このやりとりを聞いて、僕には思い当たることがあった。
よくいろいろな「打合せ」をするのだが(それは多くの場合、僕にとって無駄に思える打合せなのだが)、まあ、僕がまっとうな提案をするかどうかは措いといて、それでも、いろいろ考えて建設的と思われる提案をしても、いつの間にかその提案は打ち消され、しだいに議論は本質とはかけ離れたところに向かってしまう、といった経験を、とくにここ最近、何度もしたことがある。結局最終的な結論は、誰にとっても腑に落ちないものになってしまうのだ。
しかもその結論は、時間をかけて話し合ったという事実の前に、容易に変更できない(後戻りできない)ことになってしまう。
「烏合の衆」とは異なる、こういう現象を、ひと言で言い表すとしたら、なんだろうか。
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コメント
一言でどういうか、次から一つ選びなさい。
(1)集団思考
(2)棟方志功
(3)親孝行
ラジオの王様がラジオで例え話をしますので、テキストを読んだ方もオンエアは必見。
テキストによれば次回(と最終回で)、アシタノDJが番組のコンセプトをひっくり返すような発言をするはず。
お楽しみに。
投稿: 🐢📺📻 | 2021年9月 8日 (水) 20時50分