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2分間の副産物

前回、NHKーFM「細野晴臣作曲講座」を録音したカセットテープを3時間45分かけてMP3に変換したあと、動画サイトにすでにアップロードされていて徒労に終わった、という内容の記事を書いたが、実はまったく徒労に終わったわけではなかった。

この番組は45分番組だったので、片面45分、両面90分のカセットテープに番組を録音していた。つまり片面に1回分の番組をまるまる録音したのである。

当時はタイマー録音の機能などなかったが、どうやら当時の僕は相当に律儀だったらしく、番組が始まる数分前から録音のスタンバイをして、時報とともに録音ボタンを押し、番組のエンディングテーマがフェイドアウトするとすぐに停止ボタンを押していた。

カセットテープは片面45分といっても、きっちり45分で終わるのではなく、2~3分ていどの「のりしろ」があった。

細野さんの番組のエンディングテーマが終わると、当時の僕はすぐに録音の停止ボタンを押したのだが、いま聴き直してみると、さらにそのあとのところに、以前に録音した番組の音源が残っていたことに気づいた。つまり前に録音した番組の上に、「細野晴臣作曲講座」を重ねて録音していたのである。

では、その上書きされてしまった番組とは何だったのだろう、と注意深く聴くと、近石真介さんと平野文さんのトークが聞こえてきた。

なんと、NHK第一放送の「おしゃべり歌謡曲」の音源だったのである!

このブログのヘビーリスナーにはおなじみの、あの「おしゃべり歌謡曲」ですよ!

残っていたのは、わずか2分ほどであった。どうやら誰かのお便りを読んで(そのお便りを読んだ部分は残っていない)、そのお便りを受けて、二人が他愛もないエピソードトークをふくらませる、という、近石さんが得意とする「はがきでこんにちは」的な展開の場面である。

わずか2分間だけであるが、当時の二人の丁々発止のやりとりを垣間見るには十分な時間であった。

さて、この「おしゃべり歌謡曲」の音源は、NHKにもほとんど保存されていないらしい。「NHK番組発掘プロジェクト通信」というサイトによれば、「2020年度、こんなラジオ番組を探しています!」という番組の中に、「おしゃべり歌謡曲」が含まれていた。

ということは、2分間だけでもこの番組の音源が残っていたというのは、かなり貴重なのではないだろうか?

さて、そのサイトにあがっている番組データは、以下の通りである。

「◆おしゃべり歌謡曲(1978~82年 ラジオ第1)

趣向をこらした歌謡曲のディスクジョッキー番組。男女コンビのパーソナリティーが担当。月曜から金曜午後8時台に放送。(年度前半は月・水・金)保存はほとんどありません。

主なDJ:春日三球・照代、ケーシー高峰・山本百合子、千昌夫・Jシェパード、浜村淳・三浦弘子、浜村淳・平野文、タモリ・三浦弘子、近石真介・平野文」

これだけの情報しかないが、これを読むと、「おしゃべり歌謡曲」のパーソナリティーがけっこう頻繁に変わっていたことがわかる。僕が聴いていたのは、「近石真介・平野文」コンビの時だけである。

いや、正確に言うと、「近石真介・平野文」コンビは長らく名コンビとして好評を博していたが、番組の終わりの方は、平野文さんと「みつおかまり」さんという方が交替で近石さんとコンビを組むようになったと記憶している。だがこのデータには、「みつおかまり」さんがパーソナリティをつとめていたという記載がない。

「みつおかまり」で検索をしてみると、「光丘真理」さんという児童文芸作家のお名前があがった。この方は以前に俳優をされていたということなので、おそらく「おしゃべり歌謡曲」のパーソナリティを短期間つとめた「みつおかまり」さんと同一人物とみて間違いないと思う。

…というか、こんなニッチな情報、誰が求めているのか?

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