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いまさら『大奥』

恒例の「いまさら」シリーズ。

10月11日(月)

ひとり合宿、1日目。

現実からの逃避が、ひとり合宿でしか実現しないとは、なんとも不健康な逃避方法である。

まあそれはともかく。

ひとり合宿でどんな本を持っていくか、というのは、毎回楽しみでもあり、迷うことでもある。

読みかけの本を持っていくか、久しぶりに松本清張の『昭和史発掘』を持っていくか、カフカの小説を持っていくか、などといろいろと迷ったのだが、今回はよしながふみさんの漫画『大奥』が僕のことを呼んでいた。

というのも、わが家ではいま『大奥』ブームなのである。

「絶対おもしろいから読んだ方がいいよ」

と家族に言われたのだが、はっきり言ってピンとこない。

たしか民放で『大奥』というドラマをやっていたことはことは知っていたが、一度も観たことがない。

「わかったわかった。じゃあ最初の1巻だけ借りるよ」

と、2週間くらい前に借りたのだが、そのままになっていた。

そもそも僕は、漫画をあまり読まない。世の中にはとんでもなくおもしろい漫画が星の数ほどあるということは、もちろんわかっているのだが、だからこそ、限られた時間の中でどんな漫画を読んでいいかわからなくなるのである。ここ最近、全巻通して読んだのは、武田一義さんの『ペリリュー』だけである。

これではいつまで経っても『大奥』を読み始める踏ん切りがつかない。

家族が業を煮やしたのか、今朝起きたら、朝食時に、TBSラジオ「ライムスター宇多丸 アフター6ジャンクション」の「大奥特集」をラジオクラウドを通じて流していた。たぶん今年の春先くらいの放送だと思う。

3人の『大奥』ファンが、まだ読んだことのないライムスター宇多丸さんに、『大奥』がいかにおもしろい漫画であるかを熱くプレゼンテーションするという企画で、宇多丸さんも僕と同様に、最初は半信半疑だったようなのだが、そのプレゼンを聴いているうちに、その面白さに気づいていく、という内容だった。

家族がわざと僕にその放送を聴かせた、ということは、これはもう最後の手段という意味である。「宇多丸さんだって心が動いたんだから、あんたも心を動かせよ」と。

「わかったわかった。じゃあひとり合宿に持っていくよ」

「何冊?」

さあ困った。実際、何冊くらい読めるかわからない。読むんだったら、この機会にできるだけまとめて読んでみたいという気持ちもあるが、途中で飽きちゃうかもしれないし。

「5冊」

「え?」

「あ、いや、…10冊」

「じゃあ、あいだをとって6冊ね」

ということで僕は、『大奥』の1巻から6巻をカバンに詰め込んで、ひとり合宿に向かったのであった。

で、実際読んでみると…。

1日目にして、あっという間に5巻まで読んでしまった。こういう話だったのね。すげーおもしろい!というか、大河ドラマにした方がいいよ!

「うーむ。やはり10冊にすべきだったな」

ちょっと根を詰めて読み過ぎたので、今日はここまで。

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