アイス騒動
10月5日(火)
炎上案件は、思わぬところに潜んでいるものだ。
僕はすっかり不意打ちを食らってしまい、ストレスフルな1日がやっと終わった。しかしこの状況はしばらく続くのだろう。まったくもって憂鬱である。
帰宅したのが午後7時半。さっそく娘と一緒にお風呂に入ったのだが、娘がひと言も喋らない。
お風呂から出て、念のため熱をはかってみると、38度を越えていた。
「お風呂入ったばかりだからだよね」
「たぶんそうだよ」と言い聞かせる。
家族は先に夕食を済ませたので、僕一人で夕食。夕食を食べている間、娘とママは寝床に入った。
夕食を食べ終わり、冷凍庫をのぞくと、ソフトクリームのアイスが一つあった。
そういえばさっき娘が、
「さっきママとアイス食べたんだよ」
と言っていた。残った一つは僕のアイスだろうと思い、すっかりストレスがたまっていたこともあって、冷凍庫のソフトクリームに手を伸ばした。
(美味しかったなあ)
食べ終わったところに、妻がきて、娘はどうやら熱があるらしいと言う。さっきはかった体温は、気のせいではなかったのだ。
何回かはかってみると、37度から38度のところを行ったり来たり。これは完全に、熱があるということだ。
こういうときのために、お医者さんから「お守り」としてもらっていた熱冷ましの粉薬があったことを思い出した。
「熱を下げる薬を飲ませよう」
「でも、たしか38度以上にならないと飲ませてはいけないんじゃ…?」
もう一度熱をはかったら、38度を越えていた。
「よし、飲ませよう」と僕が言うと、妻が、
「粉薬をアイスに混ぜて飲ませるようにって言われてたんだよね」
「え?」僕はビックリした。「ヨーグルトに混ぜるんじゃないの?」
「ヨーグルトに混ぜると苦く感じてダメなんだよ」
そうだった。子どもに飲ませる粉薬の種類によっては、ヨーグルトに混ぜたらダメなものもあったんだった。
「そういえば、冷凍庫にもうひとつソフトクリームがあったよね」
「ごめん…食べちゃった」僕はソフトクリームが入っていたプラスチックの容器を差し出した。空の容器は、実に情けなく見える。
「もう食べちゃったの?なんで待てなかったかなあ」
なんとも間が悪い。僕がソフトクリームを食べなければ、その一部を粉薬を飲ませることに使えたのだ。
「どうしよう」
考えたあげく、同じマンションに住む義妹のところに電話をかけて、冷凍庫にアイスが入っていたら譲ってくださいとお願いした。幸いなことに、アイスがあるというので、もらいに行くことにした。
「はい、どうぞ」義妹は半笑いである。
食いしん坊の僕が、誘惑に負けてソフトクリームを食べてしまったばかりに、娘が粉薬を飲むために必要なアイスが奪われてしまったことに対する、半笑いであろう。
熱冷ましの粉薬をアイスに混ぜて娘に服用させて、なんとか眠りにつかせた。
翌朝。
娘は咳が続き、声もガラガラだったが、熱をはかってみると、36度6分だった。何度も何度もはかりなおしても、36度6分は変わらない。やはりこれは薬のおかげである。医者の先生が言った「お守り」というのは、本当なんだな、と思った。
心なしか娘も元気になっていたので、もう大丈夫だろうと、保育園に登園させた。そして僕らは、ストレスフルな仕事を予定通りすることになった。
夕方、保育園に迎えに行ったときには元気なままだったので、一安心である。
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コメント
これはひどい!急いで図録版を買ったのに今度は新書で発売とは!重量も約1/9と大幅減。これは炎上案件だああ(その後自首はしないけど)
投稿: 🐢🔥🔥 | 2021年10月 7日 (木) 10時10分