アニメキッズ=ウルトラファイト
11月19日(金)
先週1週間(日~金)は、妻が出張で不在のため、娘の世話に奮闘したのだが、今週も、昨日の木曜の午後から日曜日まで妻が出張なので、ふたたび奮闘の数日である。今日などは、朝8時に娘を保育園に送り、その後、車で1時間半ほどかかる病院まで書類を取りに行き、さらにその足で職場に出勤し、滞在時間3時間ほどでとって返し、午後6時の保育園のお迎えにギリギリ間に合った。娘を寝かしつけた後、TBSラジオ「アシタノカレッジ金曜日」を聴き、今週も無事に過ごせた(ほんとうは無事じゃないけど)、という感慨に浸った。
もうすぐ3歳8か月になる娘が、アンパンマンが好きだということは、以前にも書いたことがある。
というか、小さい子どもは、みんなアンパンマンが好きである。
しかし、わが家では、アンパンマンのアニメを娘に見せていない。
わが家では、BS朝日で放送中の「町山智浩のアメリカの今を知るテレビ」(通称「あめしる」)をわざわざ録画して観たり、先日までNHK-BSPで放送していた「名探偵ポアロ」も録画して欠かさず観ていたので、娘にとっては、「まちやまさん」「ポアロさん」が、有名人なのである。
もっとも、「ポアロさん」の方は、「ポアロ」とは言えず、「コアラさん」と言っている。しかし本人は、「コアラ」ではなく「ポアロ」だというのは、自覚しているのである。
先日、娘が僕に聞いてきた。
「あのー、おひげ生やして、帽子かぶって、杖をついている人…。コアラさん?」
「コアラさんじゃなくて、ポアロさん」と僕が言うと、ニコリと笑い、舌打ちのような仕草で口を開き、両手の人差し指を出して、こちらに向かって指さすようなポーズをとった。
「そうそう、ポアロさん!君、やるねぇ」
というアメリカンなリアクションである。いったいどこでそんな仕草を覚えたんだ?
しかも、最初にわざと「コアラ」とボケて見せて、僕に「ポアロ」と直させて、そのリアクションをとったのだから、計算された「ボケ」なのである。
…この話、うまく伝わっているかなあ。
リアクション、ということで言えば、娘が何か勘違いをしたりしたときに、右手でおでこをピシャリと叩いて、
「まいったまいった」「してやられた」「これまた失敬!」
といったリアクションをとるのである。これって、昭和のリアクションじゃないのか???いったいどこでマスターしたんだろう?
まあそんなこんなで、最近はすでに「ミニコント」の域に入りつつある。
先日も、保育士さんに、
「○○ちゃん、ほんと、おしゃべりが面白いですよねぇ」
と言われたので、
「ええ、飽きません」
と答えた。親の僕から見ても、「喋り」や間のとりかたが絶妙なのである。やはり、末(すえ)はいとうあさこのような自虐を笑い飛ばすお笑い芸人か、あるいは阿佐ヶ谷姉妹のミホさんのような、マイペースで世界を俯瞰で見ることのできるお笑い芸人になれるのではないだろうか。そういえば、娘のほっぺたは阿佐ヶ谷姉妹のミホさんのそれに似ている。
…いや、今回はそういうことを書きたいのではない。アンパンマンの話である。
いま娘がハマっているのは、YouTubeの「アニメキッズ」という番組である。なんだかよくわからないのだが、アンパンマンの出演陣のお人形を使って、一人の女性が、いわばお人形遊びをしているという映像を、延々と映しているのだが、娘はこれに夢中なのである。
いわゆる「お人形遊び」なので、作り手が勝手に物語を作るわけである。そこには、アニメの本編におけるそれぞれのキャラクターの関係性、といったものは、あまり考慮されていない。つまりスピンオフもスピンオフ。本編のアニメとはまったく異なる世界観がそこにあるのだ。
不思議でならないのは、娘はアンパンマンの本編のアニメにはさほど関心がなく、むしろまったく異なる世界観の「お人形遊び」の動画に惹かれているということだ。
これをたとえていえばですよ。「ウルトラセブン」の本編のドラマではなく、「ウルトラファイト」のほうに夢中になる、ということなんですよ!
「ウルトラファイト」に出てくるウルトラセブンと怪獣との関係性は、「ウルトラセブン」の本編における関係性を、まったく無視している。いわばこれも「お人形遊び」なのだ。TBSアナウンサーの山田二郎の、プロレス実況を思わせるナレーションがさらにその要素を強くしている。
実は告白すると、僕が子どもの頃、「ウルトラファイト」という番組に夢中になっていた。場合によっては、本編の「ウルトラセブン」よりも好きだったかもしれない。
そうか、娘にしてみたら、「アンパンマン」の本編ではなく、「アニメキッズ」という動画に夢中になるのは、「ウルトラセブン」の本編ではなく、「ウルトラファイト」に夢中になるような感覚なんだろうな。親子というのは、実に好みが似るものである。
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コメント
非常にわかりやすい例えですね(笑)
「ウルトラファイト」は面白い。ある意味オールロケの壮大なプロレス番組。
「マイティジャック」「怪奇大作戦」「恐怖劇場アンバランス」が低迷した結果の副産物ですけど・・・。
予算がなくても面白いものができるという典型例。
投稿: 江戸川 | 2021年11月21日 (日) 22時09分