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誰が為に鐘は鳴る

12月26日(日)

テレビの本体HDDがいっぱいになりそうなので、以前に録画したアメリカ映画「誰が為に鐘は鳴る」(アメリカ公開1943年)を見ることにした。

1936年から1939年まで第二共和制期のスペインで起こった内戦を舞台にした映画だが、原作は、アーネスト・ヘミングウェイが1940年に刊行した長編小説である。実際の内戦から、小説化、映画化に至るまで、じつに短期間であるにもかかわらず、大作映画と呼ぶにふさわしい内容で、アメリカの底力を思い知らされる。

日本で公開されたのは、戦後の1952年である。ちなみに「風と共に去りぬ」(1939年)が日本で公開されたのも同年。戦後の占領期には、日本が反米感情を抱かぬよう、アメリカの戦争映画を日本で公開することが禁止されていたのだと、たしか大林宣彦監督がNHKの「最後の授業」という番組で語っていたと思う。1952年という年は、サンフランシスコ講和条約締結の翌年である。

印象的なのは、ラストシーンである。あの終わらせ方は、戦後の数々の映画に影響を与えたのではないだろうか。見当違いかもしれないが、「明日に向かって撃て」(アメリカ・1969年)とか、日本でいうと、「野性の証明」(監督:佐藤純彌、1978年)とか。

こうした映画の演出に関する発想の類似性が、意識的に行われているのか、それとも無意識的に行われているのかについては、興味がある。

またまた大林宣彦監督の映画に関することで恐縮だが、映画「ねらわれた学園」(1981年)で、主人公が何か喋っている背後で、ローラースケートの集団が走り回る、というシーンがある。けったいなシーンだな、と思っていたら、映画「この空の花」(2012年)でも、主人公が何か喋っている背後に一輪車の集団が走り回っているというシーンがあり、大林監督特有の演出なのかな、と思って観ていた。

あるとき、黒澤明監督がドストエフスキーの小説を映画化した「白痴」(1951年)を観ていたら、夜のスキー場みたいなところで、主人公が何か喋っている後ろで、たいまつを持ったスキーヤーの集団がスキーを滑っているシーンがあって、「これだ!」と思った。大林監督の演出の原点はこれなんじゃないか?と。

映画監督は、当然、映画が好きなので、過去の映画で観た数々のシーンが、サブリミナル効果のように脳裏に残り、それが自身の演出にも大きな影響を与えているのではないだろうか。

ここから言えることは、「過去の映画の影響なしには、いまの映画は存在しえない」という結論である。

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