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学ばない国際会議

12月21日(火)

今日も大変な一日だった。

10時からの会議はメール審議になったものの、10時半から30分ほど打合せが入り、そのあと11時から1時間ほど別の打合せ、1時間弱のお昼休みをはさんで、午後1時から職場の全体会議である。職場の全体会議では、毎回、僕が提案したり報告したりしなければならない時間があるので、気を抜くことができない。これが3時間ほど続く。

で、今日は、その会議が終わってから、すぐに韓国の国際会議にオンライン参加することになっていた。

本当は午前中から国際会議は始まっているのだが、全体会議を休むわけにはいかず、夕方からの参加になったのである。

最初に依頼されたのは、いつだったか。

「12月21日に国際会議をやりますので、登壇者のプレゼンに対してコメントをお願いします」

と言われたので、

「この日は会議なので、参加することはできませんよ。参加できたとしても、夕方です」

と答えると、

「コメントの時間は夕方ですので大丈夫です」

「大丈夫って…。登壇者のプレゼンを聴かないままコメントを言うんですか?」

「登壇者には、あらかじめペーパーを準備してもらいますから、それを読んでコメントして下さい」

…というわけで、登壇者のプレゼンを聴かないままプレゼンに対するコメントを言うという、俺史上初の無謀な挑戦を強いられることになった。

1週間ほど前から、五月雨式に登壇者のプレゼン資料が送られてくる。できあがりの早い人もいれば、遅い人もいるのである。

送られてくるペーパーは、なんと11人分!しかも中国語と韓国語ばかりである。

「えーっと、どの方に対するコメント文を書けばいいのですか?」

「とくに決まってません」

「決まってないのですか?」

「ええ。でも、韓国語のペーパーに対するコメントをお願いできればと思います」

当日のプログラムを見ると、韓国人の登壇者は、全部で4人。だが、3人分しか受け取っていない。

「あとの1人のペーパーはどうなってますか?」

「提出される気配がありません。たぶん当日までできないと思います」

あの野郎、いつもそうだ。もう絶交してやる!

「ではその人に対するコメント文は書きません」

「それでけっこうです」

というわけで、先日の土日に、別の国際会議にオンライン参加して、それを聞き流しながら、韓国語のペーパーを読んで、うーんうーんと苦しみながらなんとかコメント文を3名分書いた。全部でA4用紙3枚分の原稿である。しかも1人につき質問を2~3問用意した。これだけ書けば文句は言われないだろう。

日曜日の夜に、先方に日本語のコメント文を送信した。「書けるだけ書きました。あとは適当の処理して下さい」と。

いよいよ当日。

全体会議が終わって休む間もなく、Zoomを立ち上げた。登壇者のプレゼンは終わりかけていて、このプレゼンが終わると、短い休憩をはさんで討論の時間である。どうやら時間通りに進行しているらしい。

(なんとか間に合った…)

16時50分。予定の時間通り討論が始まった。コメンテーターは僕を含めて3人である。あとの2人のうち、1人は中国人、もう1人は韓国人。

「それでは討論を始めます」と、討論の司会者がひどく早口である。「今日のプレゼンターは12名おり、コメンテーターは3名です。時間は80分です。一つ一つのプレゼンに対してコメントや質問をして、それに答えていると、あっという間に時間が経ってしまいますので、1人に対する質問は、2分、2分でお願いします。いくつか質問があった場合も、最も核心的な質問1問だけにしてください。いいですか、2分、2分ですよ。答える方も、核心的な回答のみをお願いします」

「イーブン(2分)」という言葉と、「ヘクシムジョギン(核心的な)」という言葉が、司会者の口から何度も何度も繰り返された。討論の時間が始まったばかりだというのに、司会者はすでにかなりテンパっていた。討論時間が延びることをかなり警戒しているようだ。

討論時間80分とはいっても、いちいち中国語、韓国語、日本語に通訳しながら進めていかなくてはいけないので、実質の時間はその3分の1、約27分くらいである。それを3名のコメンテーターで割ると、ひとりのコメンテーターの持ち時間は9分。コメンテーターは4分半で質問し、登壇者は4分半で答えるという計算になる。ほとんど何も質問できないじゃん!

コメントの最初は中国人、2番目は韓国人。ここまで順調に進み、いよいよ僕の番である。

「では3番目のコメンテーターの方、登壇者の○○先生のプレゼンに対するコメントと質問をお願いします」

なんと!いきなりピンポイントで、1名に対してのみのコメントを求められた。

だったら最初から登壇者を指定してくれよ!!!こっちは案配がわかんないから、3名分のコメントを用意してきちゃったぞ!しかも1人につき3問用意したから、質問は全部で9問あったのだ。

「1問のみでお願いします」

というわけで、A4用紙3枚の原稿のうち、2枚半はまったく使うことなく、わずか半ページのみのコメントで終わってしまった。

「時間が来ましたので、討論の時間はこれで終わりにしたいと思います。みなさまお疲れさまでした!」

韓国の国際会議で、段取りをまったく聞かされないまま、ぶっつけ本番でのぞむことに、すっかり動じなくなってしまった。というか、こんなんで「国際会議」などと銘打ってしまっていいのか???

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