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怒鳴る人

12月17日(金)

今週もよくぞ、よくぞ金曜日までたどり着きました。…ま、無事ではないんだけれども。

今週はTBSラジオ70周年記念ウィークとのことで、ちょっと僕のなかでは「TBSラジオ過多」である。とくに武田砂鉄過多。

水曜日の「アシタノカレッジ」のゲストが武田砂鉄氏。

「よく会社とかで怒鳴る人とかいるんだけど、怒鳴ることで問題が解決したことなんか一度もない」

「誰かに対して怒鳴る人は、その人とこの先どのような関係になるのかという想像力がはたらいていないんだな、と思うことにしている」

など、いちいち共感することが多い。

いつだったっけなあ。ずいぶん前に、東京駅八重洲口のマックで、列車の時間が来るまで時間をつぶしていたら、サラリーマン風の、僕と同じ年齢くらいの男性が、若いカップルに対してすげえ勢いで怒鳴っていた。若いカップルのおしゃべりがうるさいとか、携帯電話の充電をするために備え付けのコンセントを使っているとか、そういう些細なことで怒っているらしい。

「ヤカラ」みたいなおっさんではなく、見た目はごくふつうのサラリーマン風の人なのである。

若いカップルの方が無法者なのかといえば、そんな感じでもない。むしろ好感が持てる感じのカップルである。しかしなぜか、そのサラリーマン風の男性は、そのカップルたちを口汚く罵っているのである。

聞くとはなしに聞こえてくるその怒鳴り声は、近くで聞いていて不愉快きわまりないものだった。周りの人たちは、「やべー奴」といった感じで、なるべく関わらないようにしているようだ。

しかしかわいそうなのはその若いカップルである。たいして悪いことをしていないのに、ずっと罵倒され続けているのである。

だんだん僕は腹が立ってきた。

いっそ、そのサラリーマンに怒鳴ってやろうかと思ったが、ここで怒鳴ってしまったらそいつと同じ穴の狢である。

頃合いを見て、僕は椅子から立ち上がり、その男性に近づいて、耳元でささやいた。

「そのへんでやめておいたらいかがですか?もう気が済んだでしょう」

するとその男は僕をにらみつけ、

「○×△□◇▼◎※!!!」

とわけのわからない言葉を怒鳴った。そしてバツが悪くなったのか、その場から退散したのである。

僕は矛先がこっちに向くのを覚悟していたが、想像していたほどではなかった。そしてそのサラリーマン風の男性から、「怒鳴っても問題は解決しない」という定理を実践的に学んだのである。

もう一つの、「誰かに対して怒鳴る人は、その人とこの先どのような関係になるのかという想像力がはたらいていない」という定理。

これは、前回書いたように、「50歳を過ぎてから、人生の前半生は物語の「伏線」」であるというニュアンスとも近い。

いま目の前にいる人は、この先、いつまた一緒に仕事をするかわからない。その伏線かもしれないのだ。しかも、そのときにお互いの立場がどのように変化するのかも、まったくわからないのだ。

後々の「人生の伏線」になるかもしれない相手に対して、傍若無人にふるまうことがいかに無謀なことかが、わかりそうなものである。

よく「一期一会」と言うが、一生に一度しか出会わないから誠意をつくすべきだ、という意味よりも、またどこかで会ったときに(過去の)悪い印象が残らないように、誠意をつくすべきだ、という意味の方が、僕にとってはしっくりくる感じがする。

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