太陽は沈まず
1月23日(日)
この土日2日間は、僕が進行役のオンライン会議があった。
金曜日の退院後、その日のうちに休む間もなく会議資料を作り、翌日に会議の仕切りをするというのは、さすがに疲れる。1日目・土曜日の会議を終えたあとは、泥のように寝た。何が嫌いといって、会議ほど嫌いなものはないのだが、どういうわけかここ最近は、会議の仕切りをさせられることが多く、まったくこまったことである。しかも、会議は乗り越えるためのもので、実はそれ以降の実務の方がたいへんなのだ。そのことを考えるだけでも、気が重くなる。
日曜日の朝、10時からの会議前に気もそぞろなのだが、8時からBSプレミアムで再放送されている「ウルトラセブン」だけは忘れない。
少し遅れてテレビをつけると、いつもは1本だけなのに、よりによって今日は、「ノンマルトの使者」と「第四惑星の悪夢」の名作二本立てである。先週、トンガの海底火山の噴火による津波警報が出されていたために、放送されなかった「ノンマルトの使者」の回も含めて2本放送することになったのだろう。
(うーむ、しかしこういう精神状態では、腰を据えてみることができないな…)
食事中の娘は、「ノンマルトの使者」は食事をしながら観ていたのだが、「第四惑星の悪夢」の回になると、食事がピタッと止まり、画面に釘付けになっていた。やはり演出の実相寺昭雄による映像マジックに魅了されたのだろうか。
僕は気もそぞろで観ていたので、間違っているかもしれないが、「第四惑星の悪夢」って、「猿の惑星」の設定を逆にしたところから発想したエピソードだろうか?「猿の惑星」の映画の公開は1968年だったので、発想のヒントを得た可能性は十分にある。…とまあ、こんなことはすでに指摘されていることかもしれないけれど。それにしても「第四惑星の悪夢」って、いいタイトルだよなあ。
話は変わるが、トンガといえば、僕は小学生の頃から、トンガ王国に憧れていた。というのも、小学生の頃に、トンガ王国を舞台にしたテレビドラマを見たことがあるからである。
連続ドラマではなく単発のドラマで、当時子役だった坂上忍が主人公だった。坂上忍演じる小学生が、父の単身赴任先(だったか?)のトンガ王国を、夏休みに一人で訪れる、みたいな内容だったと思う。つまりそこでトンガロケが行われ、僕はそのテレビドラマを通じて、トンガ王国への憧れを抱いたのだった。いま思うと、なぜトンガ王国が舞台なのか、よくわからないのだが、おそらく、日本で初のトンガロケだったのではないかと思う。
坂上忍は、いまでは毒舌司会者として有名だけれども、僕が子どもの頃は、それはそれは天才的な子役だった。松田洋治と子役の人気と実力を二分していたんじゃないかな(私見)。
坂上忍がどんだけすごかったかというと、僕の妹が坂上忍の公式ファンクラブに入っていた、というくらいの人気である。妹は現在の坂上忍を見て、どんな気持ちを抱いているのかはわからないが、少なくとも僕は、わりと炎上しがちな発言をすることが多い坂上忍に対しては、あたたかく見守る、というスタンスをとっている。それは、子役から青年時代にかけて、役者としての坂上忍を見てきたことへの責任でもある。
さて、そのドラマについては、小学生の坂上忍がトンガに行った、という記憶しかなく、内容はまったく覚えていない。たしか石立鉄男が共演していたと思うが、親子の役だったっけな?いや、あれは「天まであがれ」だったか?
気になったので、インターネットで調べてみると、簡単に判明した。1980年2月26日の19時30分~21時54分に日本テレビで放送された「太陽は沈まず」というスペシャルドラマだった。1980年というと、僕が11歳の頃である。
坂上忍の父役は、竹脇無我だった。そういえばそうだったかもしれない。石立鉄男も出演していたが、クレジットは「特別出演」となっている。
インターネットを徘徊すると、このドラマをよく覚えている人がけっこういることに驚く。しかも不思議なことに、当時11歳だったとか、小学校5年だったとか、そういった人たちがこのドラマについて熱く語っている。つまり僕とほぼ同じ年齢の小学生たちの心をわしづかみにしていたのだ。それもそのはず、主人公の少年は、小学校6年生という設定だったからである。
考えてみれば、この当時の日本テレビは、少年少女の冒険もの、というコンセプトのドラマを、けっこう放送していた。西村寿行の「犬」シリーズが連続ドラマとして、1978年に「犬笛」、1980年に「黄金の犬」、1981年に「炎の犬」を放送している。もちろん主人公は犬なのだが、その犬にかかわる少女や少年の冒険譚でもある。ちなみに「炎の犬」に出ていたのが、坂上忍と子役の人気と実力を二分していた松田洋治である。
それはともかく、「トンガ」と聞くと、坂上忍のあのドラマを思い出し、当時ハワイもグアムも知らない小学生だった僕は、そのドラマを見て、ただただトンガに行きたいという思いだけがつのっていたことを思い出したのだった。
ところでインターネットのニュースを見ていたら、坂上忍が司会をしている「バイキングMORE」という情報番組で、レギュラーのアナウンサーが「トンガ頭痛」という言い方をして、SNSで炎上している、とあった。「トンガの海底火山の噴火により生じた衝撃波により気圧が変化し、気圧変化が原因で頭痛を感じる」という意味で使ったのだというが、地名を冠した病名は、あたかもトンガを加害者に見立て、その地で被災された人への配慮を欠いた表現なので、批判は当然だろうと思う。
かつてトンガで初のロケが行われたドラマに主演した坂上忍は、横にいたアナウンサーの失言に対してどのような思いが去来したのだろうか。番組を見ていないので、わからない。
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