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オマージュ

忙しくて、あまり書くことがない。

NHKの大河ドラマ「鎌倉殿の13人」。三谷幸喜の脚本による大河ドラマは、「新選組!」「真田丸」に続く3作目だが、3作目になると、さすがに洗練されてきて、過去2作より、どんどんおもしろくなっている、ような気がする。

第14回の「都の義仲」エンディングは、長澤まさみのナレーション、

「その夜、鎌倉は二つに割れた」

で締めくくられるが、僕はそのナレーションを聞いて、ニヤリとした。

ははぁん、これは、脚本家の早坂暁さんへのオマージュだな、と。

僕が小学生の頃、TBSテレビで放送された司馬遼太郞原作・早坂暁脚本のドラマ「関ヶ原」は、1981年の正月2日~4日の3日間にわたって放送された大型時代劇で、このブログでもたびたび書いているように、僕がいままで観た時代劇の中で、最高傑作である。

なにしろ、配役がすごい。これほど豪華な配役を迎えてのテレビの時代劇は、空前絶後であろう。

さてそのドラマの第二部、つまり二日目のエンディングは、燃えさかる炎をバックに、石坂浩二のナレーション、

「この日、日本は二つに割れた」

で締めくくられる。

第14回「都の義仲」のエンディングのナレーションは、「関ヶ原」を強く意識している、というか、そのままであることは疑いの余地はない。

三谷幸喜は、むかしから早坂暁の脚本に敬意を表していたので、おそらく、いつか自分もそのような場面を描くときに、オマージュとして同様のナレーションを使用したいと思っていたのではないだろうか。

前作「真田丸」で、関ヶ原の合戦シーンをあえて描かなかったのは、どうがんばっても早坂暁の「関ヶ原」を越える脚本にはならないと思っていたからではないか、と、いうのはうがち過ぎだろうか。

ちなみに「関ヶ原」第一部のエンディングは、

「この日、イギリスの都ロンドンでは、シェークスピアの『真夏の夜の夢』が上演されている」

というナレーションで締めくくられ、これがまた痺れるほど素晴らしい。

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