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あなたのルーツを教えてください

4月1日(金)

今週も、無事にTBSラジオ「アシタノカレッジ金曜日」のアフタートークまでたどり着いた。

年度末だった昨日(3月31日)は、本当にドタバタなうちに終わったが、今日はわりと心穏やかに過ごすことができた。

「アシタノカレッジ金曜日」の「ニュースエトセトラ」のコーナーは、澤田大樹記者がコロナの濃厚接触者になったため、急遽、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんが代打で登場した。

番組のトークの中で、武田砂鉄氏が、安田菜津紀さんの最新刊『あなたのルーツを教えてください』(左右社)をたびたび紹介し、絶賛していた。僕もいま、時間を見つけて少しずつ読んでいたところだった。

この本については、奇妙な縁がある。

去年だったか、ある沿線の町の本屋さんに立ち寄った。ここ最近はまったく行ってないのだが、昨年、何回か立ち寄ったことがある。小さな本屋さんなのだが、品揃えにこだわりがあり、本を本屋さんで買わなくなったこのご時世でも、お客さんが途絶えることのない、不思議な本屋さんだった。

その本屋さんは、著者や出版社に焦点をあてた「フェア」を定期的にやっている。「フェア」といっても、書棚のワンコーナーのスペースだけを使う、小さなイベントである。

だが、たんに関連本を並べているだけではない。著者に焦点をあてたフェアだったら、その著者自身が、出版社に焦点をあてたフェアだったら、その出版社の社員が、フェア期間中にたまにそこにあらわれて、フェアに関心ありそうな人に声をかけ、客とコミュニケーションをとるのである。

で、僕はある日、その本屋に立ち寄ると、左右社という出版社のフェアをやっていた。面白そうだったので、書棚の前に立って並んでいる本を眺めていると、声をかけてくる人がいた。聞くと、左右社の社員の方だった。

どんな本にご興味がありますか、的な話から始まったと思うが、僕はその書棚の中の、ある本を指さした。

「この本、持ってます。面白い本ですよね」

「そうでしたか。ありがとうございます」

「僕が最近編集した雑誌で、紹介しました」

「同業者の方ですか?」

「いえ、違います」

名刺交換をした。

受け取った名刺を見たら、相手の苗字が僕と同じで、ビックリした。

「雑誌というのは…」

「うちの職場で出しているささやかな雑誌です」

「そうでしたか」

「袖すり合うも多生の縁です。せっかくですから、おすすめのものを買いましょう」

「どんなことに興味がおありですか?」

「○○について勉強したいんですけど、ありますか?」

「それですと、この著者の本ですね」

と薦められ、そのうちの1冊を購入した。

帰ってから、これも何かの縁だと思い、僕がその出版社の本を紹介した雑誌を、名刺に書かれた出版社の住所に送ることにした。

誤解のないように言っておくが、僕が編集した雑誌の中でその本を紹介したからといって、それが本の宣伝になったとは思っていない。なぜなら、僕が紹介する前にその本はかなり売れていたから。宣伝してあげましたよ、というつもりで送ったのではなく、その本のおかげで、こういう特集を組むことができましたよ、ということを伝えたかったのである。

送ったものの、とくに返事が来るようなことはなかった。それは日常茶飯事のことだし、僕も不義理を重ねてばかりいるから、まあそういうものだろうとさして気にもとめなかった。

そんなことを忘れかけた頃、つい最近、その出版社からレターパックが送られてきた。中を開けてみると、本が2冊入っていた。同封されていた手紙には、次のようにあった。

「お送りいただいた雑誌を楽しく拝見しました。お好きそうな本が出たらお送りしようと思ううちに、時間が経ってしまいました。間が開いてしまい、たいへん申し訳ありません。

○○の本を手にとってくださった鬼瓦様に、『わたしが先生の「ロリータ」だったころ』と、最新の話題書『あなたのルーツを教えてください』をお送りします。ご高覧下さい」

…ということで、奇妙な縁を感じたわけである……って、あいかわらず説明がクドいよ!!

安田菜津紀さんは、もちろん面識は全くないが、TBSラジオリスナーとしてはおなじみの人だったので、よくぞ送ってくれました、と感謝しながら読み進めていたところだった。

しかもいつも聴いているラジオ番組で、安田さん本人が登場するばかりでなく、武田砂鉄氏がその最新刊を絶賛するというのは、シンクロニシティというべきか。

ただ、この本はいま読むべき本です、と、読者が5人くらいしかいないこのブログでいくら宣伝しても、まったく効果がないのが哀しいところである。

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