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白髪、それがどうした

4月25日(月)

今日から、恒例の2泊3日の「ひとり合宿」である。先々週の検査でまた引っかかったのである。

前にも書いたが、ひとり合宿の部屋にいると、新聞の朝刊と夕刊のサービスがある。その新聞というのが、僕が決して自分から読まない新聞社の新聞なので、ひとり合宿のときだけ、その新聞に目を通すことになる。

夕刊は、ビジネスマンとか会社の経営者が読むような新聞である。1面の下に、コラムがあるのだが、新聞の編集委員が書くのではなく、日替わりで、会社の社長とか有名人とかが書いているようである。

今日の夕刊のコラムは、ある大手不動産会社の社長が書いていた。こんな内容のコラムである。

若い頃から白髪が多くて、子どもを連れていると、孫と間違えられることがよくあった。授業参観のときには、娘から、髪を染めてほしいと言われ、散髪屋で白髪ぼかしをしてもらったが、途中で弱気になって中途半端なところでやめてしまったので、髪の色がヘンな感じになり、もう髪を染めるのは懲り懲りで、その後は父親参観に行くことはなかった。その後初孫が生まれて、ようやくお爺さんになれてホッとした、というのがコラムのオチである。

お世辞にもおもしろい文章とはいえない。このコラムに違和感を抱くの、俺だけかなあ。

僕は40代の頃から白髪が目立つようになり、5年ほど前に大病を患ってから、白髪が急激に増え、いまではほとんど真っ白である。古い友人が、道ですれ違ったってだれだかわからないだろう、というくらい。

それでも、散髪屋に行くたびに、白髪ぼかしというのをやってはいるのだが、気休めにすぎず、時間が経てば、元の木阿弥になる。

で、4年ほど前に子どもを授かったのだが、年齢も年齢だし、髪も白いので、誰もが僕のことをおじいさんだと思い込む。僕に向かって「かわいいお孫さんですね」とか、娘に向かって「おじいちゃんと一緒でいいねえ」とか言われるのは日常茶飯事である。僕はそのたびに、

「いえ、父です。この子は娘です」

と言うことにしている。そうすると、言った方は、「あらごめんなさい」と、言ったことを後悔する。悪趣味だが、言ったことを後悔させるために、僕ははっきりと訂正するのである。

白髪があるからって、なんで「おじいさんと孫」と言いきってしまうの?そして当事者は、それに対してどうして後ろめたく感じなきゃいけないの?

この不動産会社の社長は、頭が白いことを理由に父親参観に行かなくなった、とあるが、それは父親参観に行かないことの口実にすぎないのではないか?逆に、何度も通っていれば、父親であることを誰も疑わなくなるのではないか?そして、本人が見た目を気にするということは、他人に対しても見た目で判断するということではないのか?

自分の娘が小学校に上がって、授業参観があったときに、「パパは髪を染めてきて」と言われるのかなあ。いや、そんなことを気にしない子に育てたい。まわりの人に、「あなたのお父さん、おじいさんみたいだね」と言われたとしても、「それがどうした?」と意にも介さない子に。

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コメント

「就活メイク学概論」を履修して美容の知識がついたので、さっそく「髪色シミュレーション」のホームページに鬼瓦さんの顔写真を読み込ませてシミュレーションしてみたのですが、結局、どの髪色もお似合いで、甲乙つけられませんでした。

「バーチャルメイクアップ」のホームページも試してみたんですが、こちらは目元・口元にポイントメイクをすればするほど逆効果になるので、ブラウン系のアイブロウに黒マスク着用くらいで止めておくのがお似合いかと。

投稿: 🐢💄👨 | 2022年4月25日 (月) 21時38分

私の娘は私の白髪をキレイと言ってくれます。幼稚園の頃にどこで覚えたんだか「メッシュかわい〜い♪」と気に入ってくれていました。今のところ「おとなも子どももみんなちがういろいろある」のが自然な状態と受け入れているようです。

投稿: | 2022年5月 5日 (木) 21時50分

保育園に迎えに行くと、娘のおともだちは、「あ、○○ちゃんのパパだ!」と言ってくれますから、見た目で認識しているのではなく、関係性で認識してくれているのでしょうね。

投稿: onigawaragonzou | 2022年5月 6日 (金) 02時05分

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