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思いつきで動物園に行く

4月17日(日)

今日は1日、ダラダラと過ごすつもりでいたが、家族の提案で動物園に行くことにした。

「疲れているんなら、最寄りの駅まで車で送ってもらえば電車で行くけど」

「いいよ、動物園まで車を運転するから、みんなで動物園に行こう」

実際、休みの日にはほとんど家にいる状態なので、運動不足が甚だしい。動物園ならば、それなりに歩くだろうから、適度な運動になる。同じマンションに住む姪の家族もさそって、郊外の動物園に行くことにした。

小さいころ、この動物園に行ったことがあるかどうか、ほとんど記憶にない。というのも、もともと僕は、動物園に興味がなかったのだ。しかしまあ、4歳になった娘は、動物園に連れて行けば喜ぶのではないだろうか。

午前9時半に出発し、車で1時間ほどで動物園に着いたのだが、目の前の光景を見て驚いた。

動物園の入り口に、人が列をなして並んでいる。

考えてみれば、コロナの感染に警戒しているこのご時世、野外にある動物園は、感染のリスクをあまりともなわない場所として、まる1日過ごすことのできる、お手軽な場所なのである。考えていることは、みんな同じなんだな。

動物園に来ている人のタイプは、子ども連れの家族か、カップルか、動物マニアか、写真マニアか、のいずれかである。

いやいやいや、阿佐ヶ谷姉妹もたしか、むかしは姉妹のふたりでよく動物園に行ったって言っていたから、カップルと言っても、お付き合いをしているカップルだけとも限らないぞ。仲のいい人たちで行く場合もあるだろう。

阿佐ヶ谷姉妹で思い出したが、動物の行動を観察することで、さまざまな仕草を自分の中に吸収する芸人とか役者がいるとやも聞いている。

動物マニアでも写真マニアでもなく、たんに動物を見て癒やされるために一人で訪れる人もいるだろう。

そう考えると、動物園は「全方位外交」の場所なのだ。これだけの人が集まるというのも頷ける。

僕は、上野動物園(といっても、上野動物園じたい、ほとんど訪れた記憶がないのだが)のような動物園をイメージしていたのだが、さにあらず、郊外の山にある動物園なので、敷地が広く、起伏が激しいのである。「アフリカ園」だの「オーストラリア園」だの「アジア園」などと、かなり広範囲に動物のエリアが広がっている。

(こりゃあ、聞いてないぞ)

ふだん運動不足の僕にとっては、かなりこたえる場所である。しかし、もともと運動不足解消のためにと思って来たのだから、おあつらえ向きと言えば、おあつらえ向きである。

「まずはライオンを観に行こう」

と、ライオンのいるスペースまで歩いていると、途中、4歳の娘をめがけて、カラスが襲ってきた。

「ギャァ~!!!」

まるでヒッチコックの「鳥」の世界である。

「カラス!カラス!」

「カラスはいいの!ライオンを観なさい」

ほどなくライオンのエリアがみえてきた。

「ライオンがいる!」

遠くの方にライオンがいるのがわかったが、しかしほとんどのライオンは寝ている。

すると、先ほどのカラスが、ライオンのいるエリアめがけて飛んでいき、木の台の上にとまった。

よく見ると、木の台の上にあるライオンの餌(生肉)をついばんでいる。カラスの目当ては、ライオンの餌だったのだ。

恐るべし、カラスである。だってライオンの食料を奪うんだから。いまや百獣の王は、ライオンではなくてカラスなんじゃないだろうか?

そうこうしているうちに、お昼の時間になった。こちとら、思いつきで来ちゃったものだから、お昼ご飯のことを考えていなかった。あらかじめ準備してきたわけではなかったので、園内の食堂で食べるしかない。案の定、園内の食堂は混んでいて、長い時間かけて並んで、食事を手に入れて、どうにか座る場所も確保できた。

しかしこの時点で、もうグッタリである。4歳の娘も駄々をこね始めている。

というか、実はあんまり動物に関心がないみたいだ。

歩いていると、お城のような建物が目に入った。

「あのお城に行きたい!」

「あのねえ、動物を見に来たんでしょう?お城は関係ないの」

「でも見に行きた~い!」

といってきかない。

「わかった、じゃあ、コアラさんを観てからお城に行こうよ」

と、なんとかなだめながら「コアラ館」までたどり着いた。

コアラといったら、あーた、動物園のメインキャラクターといってもいい動物ですよ!

しかし、娘はあまり関心がない様子。

「コアラ館」の天井はドーム状になっていて、星をイメージした豆電球がちりばめられている。まるでプラネタリウムを思わせるのだが、しょせんは豆電球なので、ちゃちな感は否めない。

「あ、お星さま!」

「あのねえ、動物を見に来たんでしょう?お星さまが観たいんだったら、また『お星さまの映画館』(プラネタリウム)に連れて行ってあげるよ」

「お星さまの映画館、行きた~い」

動物学者よりも、天文学者に向いているのか?

結局、娘はコアラにはほとんど目を向けることがなかった。

仕方がないので小5の姪に、

「コアラはねえ、オーストラリアにしか生息していないんだよ」

と言ったら、

「オーストラリアにしかいないコアラが、なんで日本にいるの?」

と聞かれ、ぐうの音も出なかった。

コアラ館を出た娘は、先ほど見えた「お城」にどうしても行きたいと駄々をこね、仕方ないので行ってみたのだが、行ってみると、お城の中に入れるわけではない、というか、かなり朽ちた感じのお城である。どうも以前までアジア象のいた場所だったのだが、老朽化が激しくなり、アジア象エリアが移転して、いまは廃墟になっているようなのである。

うら寂しい気持ちを抱えて、動物園のもうひとつのメインキャラクター、オランウータンのところにむかったのだが、どうやら疲れた様子で、離れたところにある椅子に座り、おやつを夢中になって食べ始めた。

「ほら、オランウータンがこっちを見ているよ!」

と言って、一番近くでオランウータンが見える柵の手すりのところまで促したのだが、娘は手すりを見つめている。

「あ、蜘蛛だ!」

「ええぇぇぇー、そっち?」

手すりの蜘蛛のほうが気になる様子。

まるで、マレーシアのジャングルで「動物を観察しなさいよ」と藤村ディレクターに言われて、渋々動物を観察している大泉さんを見ているようである。わかる人がわかればよろしい。

一事が万事、そんな感じで、後半は歩き疲れたのか、「早く帰りた~い」と大声で叫ぶばかりだった。

「これだったら、近くの○○の里公園に連れて行っても同じだったね」

よかれと思って連れて行ったのだが、甲斐がないというのは、このことだ。

近いうちに「リベンジ」したいが、父親に似て、やはりもともと動物に関心がないのかもしれない。

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コメント

全方位外交している場合ではない。

バスに乗り遅れるな、特にその動物園では!

投稿: 🐢🦁🚌 | 2022年4月19日 (火) 23時00分

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