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さらに対話は続く

「鬼瓦殿

こんばんは。プログ読みました。

家にあったメイプルソープのカタログを見ると確かに1992年でした。とすると、蕎麦屋廻りをする前だったようですから、恐らく蕎麦が好きだった亡父の影響もあり蕎麦屋に行ったのでしょう。

貴君のプログにあった、青春時代に友達から影響を受けるというのは、その通りで、私も大学時代のサークルで様々な音楽を友達から教わり、自分一人では決して聴かなかったような音楽を聴くようになりました。

では貴君からの影響は何だったかと、今日は難波の居酒屋、西天満のバーとハシゴしながらツラツラと考えてみたのですが、なかなか思い浮かばず、と書きつつも、もしかしたら、それほど人の話を聞くのが得意だったとは思えない自分が、今は気長に人の話を聞くようになったのは、高校時代に毎日のように貴君の愚痴を聞かされたお陰かと思い当たりました。

更に、貴君に連れられて行った様々な遺跡を見たお陰で、最近は茶の湯を始めとした古美術に興味を持つようになったのではないかとも思います。

話は変わりますが、貴君のプログで、私が引越し先にレコードや本を全部持って行くのに感心していましたが、それは福岡に転勤になった時に、もう千葉にあった実家には二度と戻るまいと思って一式持って行ったのですが、その数年後に母親が千葉の家を売り払って福島に行ってしまい、私のものは全て処分されてしまったことを考えると宜なるかなと思います。」

「高校時代に毎日のように貴君の愚痴を聞かされたお陰」で、気長に人の話を聞くことができたって、それ、知的刺激でも何でもないだろう、と、コバヤシからのメールに思わず笑ってしまった。

「茶の湯を始めとした古美術に興味を持つようになった」というのも、断じて言えるが僕の影響ではなく、趣味人としてのコバヤシの素質だろう。

つまり僕は、何ら影響など与えていないのである。

もともと僕は、主体的に何かに熱中できるタイプではなく、他人に影響を与えるような人間でもないことを自覚しているから、コバヤシの認識は正しい。これは亡き父親譲りだと、最近になって思い至った。コバヤシが、趣味人だった亡父の影響で蕎麦屋めぐりをはじめたように。

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