不意打ちの面接試験
5月25日(水)
新幹線と在来線を乗り継いで、1泊2日の出張である。
来年のイベントの協力依頼のため、各所に挨拶回りをするというのが、今回の用務である。
本日の用務先は1カ所で、仲介の労をとっていただいた方から事前の聞いていた話では、「ふたつ返事で協力してくれるようなことをおっしゃってましたよ」という。
しかし念のためご挨拶しておくのは必要なので、その方のお宅にご訪問することにしたのである。
当初予想していた感じと違い、対応された方は、かなり気難しい感じの人であった。名刺をお渡しすると、あ、そうですか、という感じで、受け取られた。
「最初に言っておきますけれど、以前、別のところから協力の依頼でお見えになった方が、とても印象が悪かったので、イヤな思いをしたことがあります。私どもが提供するものを、ほんとうに丁寧に扱ってくれるのか、そのことが払拭されないかぎり、協力しない方針です」
機先を制せられた。こちらをかなり警戒している様子である。
ふたつ返事で協力してくれるようなことを言っていた、というのは、何だったんだ?と不意打ちを食らってしまったが、やはり実際にお目にかかっておいてよかった。ここからがほんとうの交渉ごとである。
僕は、こちらの趣旨をできるだけ丁寧にご説明したが、説明しているうちに汗が噴き出し、心が折れそうになった。
まるでこれは、面接試験だな。
先方は、僕のしどろもどろの説明に納得しているかどうか、顔色ひとつ変えない。
「要点だけ言ってください」
「すみません…」
ひととおり説明を終えたあと、先方は、
「わかりました。…では名刺をお渡しします」
といって、そこで初めて、先方が名刺を差し出した。
…これって、この時点で初めて客として認めてもらったってことか???
僕もいい大人なのだから、これくらいのことでビビっていてはいけない、というのは心ではよくわかっているのだが、やはり、なかなか慣れるというものではない。
最終的には、
「いちおう、承りました」
と言われたのだが、これは、とりあえず合格、とみてよいのか???
よくわからないまま、あまり長居するのも失礼かと思い、ひととおりのご説明が終わった後に退散した。
そういえば、ビジネスマナーをなにひとつ僕は実践していなかったな、と反省した。というか、それどころではなかった。とにかく先方の警戒心を解くために、決してアヤシいものではございません、と、丁寧に説明することにばかり注力していたのである。それが相手の心に届いたのかどうか、今ひとつ、達成感がない。ま、ここまでくれば、あとはなるようにしかならないだろう。
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コメント
名刺の渡し方はこちらで学べます。韓国版だけど。
https://youtu.be/knjgEpTHaek
昨今は名刺の同時交換が主流です。今回は先方が名刺を出さなかったようですので、そういう対応はビジネスマナー違反だと、鬼瓦さんの方から先制してはいかがでしょうか。
二度と会ってもらえないかも知れませんけど。
投稿: 🐢📇 | 2022年5月26日 (木) 09時10分