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ネタバレ注意

やるべきことが多すぎて、途方に暮れる毎日である。したがって、ただひたすら雑用に追われ、何も書くことがない。

映画「シン・ウルトラマン」のパンフレットを買ったら、パンフレットに帯がかかっていて、「ネタバレ注意」と赤字で大書されていた。

これは、どう解釈すればいいのだろう?

昨今、テレビやラジオでは、映画評論家が「ネタバレ」しないように、注意深く映画の紹介をする風潮がある。そういう風潮からすると、「ネタバレ」は歓迎されないこととしてとらえられているように思える。実際、僕の妻も、「ネタバレ」をひどく嫌う。

しかし一方で、こんな見方もできる。

世の風潮として、ネタバレを嫌うのが主流だったとしたら、わざわざパンフレットを帯で封印して「ネタバレ注意」とは書かないのではないか?映画よりも先に。パンフレットを見ちゃう人が多いから、「あらかじめパンフレットを見ちゃったら、映画の面白さが半減しますよ」と、ともすればネタバレを歓迎する人たちへの、映画を提供する側からのメッセージととらえることができる。

どっちなのだろう?

今週の月曜日、荻上チキさんの代打として武田砂鉄さんがパーソナリティーをつとめたTBSラジオ「Session」の「メインセッション」のコーナーは、「映画を早送りで見ますか? サブスク時代のコンテンツ消費がもたらす現状と課題」という特集で、ライターの稲田豊史さんがゲストだった。聴いていてなかなか面白かった。

最近は、わかりにくさを好まない。映画の中で、結局だれが善人で、だれが悪人なのか、といった正解を求めようとする。結論がわからなければ、安心して映画を観られない。本来ならば、映画に対する感想は千差万別であるはずなのに、それが許されない風潮、「共感」することをよしとする風潮がある、等々。

そういう昨今の風潮からすると、結論が見えないことほど不安なことはなく、ネタバレには抵抗がなくなっているのではないか?「ネタバレ注意」を求めているのは、観る側ではなく、提供する側なのではないか?

パンフレットに巻かれた帯に書かれた「ネタバレ注意」の赤字を見て、そんなことを感じたのである。

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