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貧すれば鈍するということか

6月2日(木)

昨日の日帰り出張は、予定を詰め込みすぎて、さすがに疲れてしまった。翌朝、薬の副作用も相俟ってか、起き上がることができなかった。

それでも、今日は職場で午前に一つ、午後に一つ、打合せがある。

午前の打合せは、「ご相談があります」とメールにあっただけで、どんなことなのかわからなかった。ま、「ご相談がある」といった場合は、悪い予感しかしないものである。思った通り、些細なトラブルに関するもので、それを僕のほうでやんわりと解決してほしい、ということだった。良くも悪くも、僕はトラブルをやんわりと解決することに長けている、と思われているようで、まあいつものことだと思いつつ、なんとか一件落着したのだった。

午後の打合せは、来年のイベントに関するもので、こちらも2時間以上かかった。やるべきことが多すぎて、頭を抱えたくなる。

昨日の疲労の上にさらに今日、打合せが続くと、さすがに何も考えられなくなる、というか、気持ちがカリカリしてくる。

こういうときは、愚痴しか出てこないね。

この仕事をやっていてよかったと思うことの一つは、あまり他人が経験しないことを経験できる、ということである。ま、どの仕事も、そういう側面はあるのだとは思うが。

具体例をあげると、いま僕は、図鑑の監修、という仕事をしている。子どもの頃に心をときめかせながら読んだ、「図鑑」である。

昨年の夏ごろだったか、断れないルートからこの仕事が振ってきて、引き受けるよりほかに選択肢がなかったのだが、子どもの頃に好きだった図鑑というジャンルの仕事にかかわれるというのは、悪い気はしない。しかもその図鑑が完成する頃には、娘がその図鑑を手にするかもしれないと思うと、少しは力が入るというものである。

最初は、「図鑑に描くイラストの監修をお願いします」といわれ、イラストの原案がどんどん送られてきた。自分の判断でイラストのタッチが決定されてしまうのかと思うと、責任は重大である。かといって時間をかけて検討することもできないし、ある程度のところで妥協しながら、OKを出していくほかない。

そのうち、そのイラストをはめ込んだページのレイアウトが出てきた。そこには当然、ライターが書いたと思われる解説文が書かれているのだが、その解説文の内容が、ちょっとおかしい。イラストよりも、むしろ解説文のほうが気になるのである。「仮の原稿ですから」と言われてはいたが、明らかにおかしい表現については修正を提案することにした。

昨年の夏から秋にかけては、そんなやりとりを頻繁にしていたのだが、冬になり、年を越し、春がすぎても、何の音沙汰もなかった。図鑑のことなどほとんど忘れかけていたが、そういえば、あの図鑑はその後どうなったのだろう?と気にしていたところ、先日、その出版社から封書が送られてきた。再校ができましたので、確認をお願いしますとあり、その修正期限はかなり切羽詰まった日程だった。

僕はここ数日忙しくて、なかなか中身を見る時間がなかったのだけれど、今日、諸々の打合せが終わったあとに中身を読み始めて、ちょっと驚いた。

解説文が、ひっどい悪文なのである。

以前に読んだときにはそこまでひどいとは感じなかったのだが、最初の段階もこんな悪文だったっけ?

疲労しているときに悪文を読むことほどツラいことはないのだが、しかし修正の締め切りが迫っているので、少しでも作業を進めなくてはならない。ときには手の施しようのない悪文もあり、これをどうやったら最小限の修正で済ませることができるかに、頭を悩ませた。

たとえば、問いかけがあり、それに対する答えの文章というのがあるのだが、それが、問いに対する答えになっていなかったりするのである。

それにしても、これを書いたのはだれだろう?プロのライターなのだろうか?いや、もしそうだとしたら、その人はプロと名乗る資格はない!と思うほどの、ひっどい、ひっどい悪文なのだ。

子ども向けの図鑑だと思ってバカにして書いているのではないか、と疑いたくなるほどである。もし真剣に子ども向けに書いているというつもりなのなら、才能がないと断ぜざるをえない。

コンプライアンスの時代なんだぞ。もう少し表現に注意しろよ、と言いたくなる箇所もある。

いや、ライターの責任に帰してよいのだろうか?「貧すれば鈍する」「安かろう悪かろう」で、思うとおりの予算が投入できないという構造的な問題が関わっているのだろうか?

そんな考察はともかく、全面的に書き直したい心境なのだが、そんな時間も体力もない。だいいちギャラがもらえるのかどうかもわからない。仕方がないので、これだけは絶対にダメだ、というところだけを修正することにした。それでも、残された多くの「不本意な箇所」には、目をつぶるしかなかった。

これが世に出たときのことを考えて、「これでもがんばって直したんですよ」と、いまから予防線を張っておく。

…ひっどい愚痴だったと、反省。

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コメント

ららら♪クラシックのお悩み相談的なコーナーで
「クラシックを聴いてみたいと思うのですが、何から聴いたら良いか分かりません」
という質問に対する答えが
「好きな作曲家、気になる指揮者や楽団のCDなどから聴いてみたら良いと思います」
ですと。(すでにうろ覚えなので文言は正確ではないのですがだいたいこんな)
馴染みがなくてとっかかりを見つけて欲しかっただろう人に「好きな」とか言っちゃうのなんなん?それが分かってたら質問しないわよ。
なんてことがあったなぁってなんとなく思い出した。

投稿: | 2022年6月 3日 (金) 20時15分

「好きな作曲家」がいる時点で、クラシック音楽に精通してますよね。

投稿: onigawaragonzou | 2022年6月 4日 (土) 02時19分

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