プロットづくり
6月20日(月)
今日は午前中から職場で、来年度のイベントのための集中作業である。
映画製作で言えば、粗(あら)編集といったところか。もっとも、映画を作ったことがないのでわからない。
イメージとしては、撮影した映像をつなぎ合わせて、「ここはもう少し長く」とか「ここはもう少し短く」みたいな作業とダブらせてみたのだが、よく考えてみれば、撮影した映像の素材がまだ全然揃っていない。というか、映画で言えば、まだ撮影前なのだ。そう考えると、編集ではなくて、むしろプロットづくり、といった方が適切である。
経験豊富な同僚と担当職員と僕の3人で、会議室のスクリーンに映し出された画像を前に、ああでもない、こうでもない、と、全体の構成を考える。
「そこ、もうちょっと右に動かしましょう」
「それは、そっちではなくて反対側に置けませんか?」
僕がアイデアを出し、経験豊富な同僚と担当職員が、パソコンの作画ソフトを動かしながら、それを形にしていく。
途中、1時間のお昼休みをはさんで、午後も作業は続く。
経験豊富な同僚が、
「以前、○○のイベントの時は、そこには何も置かなかったんですよ」
と言ったら、
「そうや」
と後ろから声が聞こえた。
ビックリして振り向くと、社長がいた。会議室の扉は、換気のために開け放っていたので、いつの間にか部屋に入ってきたようである。
「どや、調子は」
と言いながら、社長はひとしきり自分の体験を話した後、
「邪魔してスマン」
といって部屋を出て行った。
しばらくすると、こんどは管理職の同僚が会議室入ってきた。
「進んでますか?」
僕たちが作業をしていることを、社長に聞いたのか、ほかの職員に聞いたのか、とにかく、今日ここで、僕がまる1日作業をしていることが、社内にダダ漏れらしい。
「なかなか大変です」
と答えると、
「でも鬼瓦さん、楽しそうですよ」
と言う。そこには、ふだんは楽しくなさそうに仕事をしているのに、というニュアンスが含まれていた。僕は、
「まあ、楽しいか楽しくないかでいえば、楽しいほうの部類に入ると思います」
と、三谷幸喜脚本の舞台『笑の大学』のセリフを引用して、仏頂面で答えた。だが、このセリフが『笑の大学』からの引用であることは、おそらくだれにもわからないだろう。
結局、6時間以上かかって、作業は一段落した。経験豊富な同僚は、
「この作業をやっておけば、なんかもう、できた、という気になるでしょう。でもここからが大変です」
と言った。たしかに、やっとプロットができたところで、まだ何も始まってはいない。
| 固定リンク
「職場の出来事」カテゴリの記事
- 伝わっているのか(2023.02.01)
- まだ月曜日かよ!(2023.01.24)
- ○○の玉手箱(2023.01.18)
- 何でも言って!(2023.01.14)
- 100字原稿マシーン(2023.01.05)
コメント