前のめりな人
6月16日(木)
われながら、よく働くねえ。
疲れているし、何も書くことがないので、例によってどうでもいい話をする。
「前のめりな人」という表現がピッタリな人がいた。まったく悪い人ではなく、むしろいい人なのだが、あるとき、いっしょに仕事をしていくうちに、どうもこの人は前のめりな人に違いない、と思いはじめた。
おそらく先に先にと、気が回る人なのだろうが、その「勇み足」的な行動が、些細なトラブルを起こし、僕はその尻拭いをしたりすることもあった。もちろん、本人にはそんなことまったく言わないけれど。
たまたま知り合った人と仲良くなるのが得意で、仲良くなると、やたらと仲間に引き入れたくなるらしい。「先日知り合った○○さんという人がとてもおもしろい人なので、こんどその人に仕事をお願いしましょう。なんなら、その人を仲間に引き入れましょう」と、無邪気に提案してくる。
自分が面白いと思ったことは、ほかの人もおもしろいはずだ、自分が気の合う人は、ほかの人もきっと気が合うはずだ、と信じて疑わないようなところのある人で、それ自体は無邪気というか、天真爛漫で悪くはないのだが、それが仕事となると、話は別である。
僕には、「人はむやみに出会ったりしてはいけない」という信条があり、人とすぐに仲良くなるのは危険だと考えている。しかも仲がいいからといって仕事がうまくいくとも限らない。とくにチームで仕事をする場合は、人間関係にムラができてしまっては支障をきたすので、できる限り私情をはさまないのが理想である。まああたりまえのことなのだが。
その人は、ちょいちょいと「前のめりな私情」が見え隠れするような雰囲気を出してくるので、大丈夫かなあと心配していたら、案の定、人間関係のちょっとしたトラブルが起こったことがあった。それ以来、僕はそれとなく、ブレーキをかける役目を勝手に自分に課した。その人の気持ちを傷つけることなく、やんわりと着地させることを心がけたつもりだったが、そう思っているのは僕だけで、ひょっとしたら一人相撲をしていただけだったのかも知れない。
「やんわり」で思い出したが、あるとき、面識のない方から、「やんわりとしたクレーム」が来た。
「決してクレームをつけているわけではありません」と書いてあったが、明らかにクレームである。
僕に答えるべき責任があったので、懇切丁寧に、噛んで含めるように、その方の不信感に対して釈明をした。簡単に言うと、「規則なんだからしょうがないだろ、あんたも業界人ならそういう規則があるくらい知っているだろ」という話なのだが、もちろんそんなことは言えない。あくまでもこちらの落ち度であり、それに対して誠実に対応する、ということを、政治家的な答弁ではなく、クドいくらいに「丁寧な説明」をしたのである。
それだけでかなりのエネルギーを消耗したのだが、それに対して、相手からはいまに至るまで何の反応も来ていないのは、まことに脱力することこの上ない。面識がないだけに、その人の人柄についてしばらく仮説を立ててみたが、そんな仮説を立ててみたところで何の意味もない。まあ自分もメールの返信を怠ったり忘れたりすることがあり、相手にストレスを与えていることもあると思うので、日ごろの自分の行いを顧みるよい機会となった。
…ということで、呆れるほどどうでもいい話である。というか愚痴だな。
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