あのときの洋食屋さん
7月15日(金)
今週も、よくぞ、よくぞ「アシタノカレッジ金曜日」のアフタートークまでたどり着きました!
「3年ぶりにお祭りが行われる町」で、朝から用務である。
ホテルを出て、地下鉄に乗って北に向かい、用務先に到着したのは午前10時少し前だった。
今回の用務は、僕のほかに2人の男性が参加する。というより、もともとその2人の男性の作業に僕もくっついてきただけである。用務先で対応してくれた女性を含めると、合計4人が、夕方までその建物の中で作業をすることになっていた。
さて、昼食休憩の時のことである。
用務先には学生がたくさんいるので、学生のお昼休みの時間とずらして、昼食休憩を取ることにした。午後1時過ぎのことである。
建物の外に出て、4人で近くの飲食店に入ることにする。
「ここでいいですか?」
と、用務先の女性の方が選んだのは、小さな洋食屋さんだった。
最大で15名くらいしか入れないような、昔ながらの洋食屋さん、といった感じである。店内では、おばちゃん1人が給仕をしている。
僕はこの洋食屋さんに入った瞬間、既視感を覚えた。
(前にいちど、来たことがあったかな…)
お店の中の雰囲気といい、給仕をしているおばちゃんといい、なんとなく見覚えがあるのだ。このあたりには、以前、といっても10年以上前になるが、何度か来たことがあったので、この洋食屋さんに入ったことがあるのかもしれない。だが確信は持てない。
4人席のテーブルに座り、メニューを見る。なんとなくメニューにも見覚えがある。
「どれにしますか?」
僕は「チキンカツ」定食にし、ほかの3人は「チキングリエ」定食にきめた。
「すみませ~ん、チキンカツ1つと、チキングリエ3つください」
とおばちゃんに言うと、そのおばちゃんは、
「えーっと、…女性の方は何を注文されました?」
と聞いてきた。
4人のうちの1人の女性が、
「チキングリエです」
と答えると、
「じゃあ、チキングリエの1つは、ご飯を少なめに盛りますね」
と、さも当然のように言った。
僕はこの瞬間、この洋食屋の思い出が、まざまざと甦ってきた。たしかに僕は、以前にこの店に来たことがある、と!
正確に言えば、僕と妻が、この店に入ったのである。
もう10年以上前のことになるかもしれない。
このあたりを歩いていて、お昼になったので、どこか食堂に入ろうということになり、小さな洋食屋さんに入った。
何を注文したかは覚えていないのだが、たしかそのときも、給仕をしていたおばちゃんが、妻が注文した品を確認し、
「ご飯を少なめに盛りますね」
と言って、実際に運ばれてきたご飯が、僕よりも明らかに少ない量だったのである。
これに、妻は激怒した。
「なんで女性だからって、ご飯を少なめに盛るの?それでいて値段が変わらないってどういうこと!?これって、女性が明らかに損してるよね!!!」
たしかにそうだ。妻はふだんから僕と同じ量を食べるのだ。なぜ、女性だからと言って、ご飯を少なめにされなければならないのか?
「だいたい、あのおばちゃん、せわしなく動いているように見えて、ぜんぜん手際がよくないじゃない!!」
と、怒りの矛先がおばちゃんに向かっていたことも思い出した。
そうだ、ここがあのときの洋食屋さんだ!!!そして、あのときのおばちゃんだ!!!
ボンヤリとした記憶が、鮮明に甦ったのである。
何より、10年以上経ったいまも、あいかわらず「女性だからご飯を少なめに盛る」という習慣を続けていたことが驚きである。
家に帰ってから、この話を妻にしてみた。
「ずっと前にさあ、あの町で洋食屋さんに入ったこと、覚えていない?」
「さあ」
給仕をしていたおばちゃんが、女性に対して「ご飯を少なめに盛りますね」と言って、実際に少なめに盛って出してきたんだよ、というと、
「思い出した!」
と、突然「思い出し怒り」がこみ上げて来たようだった。
折しも巷のニュースでは、この国の2022年のジェンダーギャップ指数は、146カ国中116位、主要7カ国(G7)の中で最下位だと伝えていた。
もはや先進国とは言えないね。
ただフォローしておくと、「洋食は美味しかった」ということと、「おばちゃんが変わらず元気に働いていた」ことは、申し添えておきたい。
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コメント
やーやー、源氏め、よくぞここまで来たおうじ。
おおー、おのれ平家め。
ちゃんちゃん
ばらばら
こんちきちん
ちゃんちゃん
ばらばら
こんちきちん
なんだか擬音まつりだが、
これで合うたに、違いあるまい。
投稿: 🐢🍽️ | 2022年7月16日 (土) 16時34分
ウォー・ウォー(ドラマ「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」風に)
https://www.youtube.com/shorts/ZJMfOJ_8v2w
料理人は、注文した人を見て料理を決めるものである。
ごはんをたくさん食べたければ、客としてもそれなりの努力が必要なのである。
先日訪れた「かっぱの宿」のご主人も、客を見てから出す料理を決めるタイプであった。
従って、わたくしめのように、
①予約の段階から「どうしても泊まりたかった」とアピールし、
②到着してから「ここのご飯がおいしいと聞きました」と答え、
③おかずを並べたかっぱの主人の「食材あてクイズ」に正答し(「行者ニンニク」を言い当てた時は、我ながら驚いた)、
④おかずの写真を撮る理由を聞かれて「この宿のご飯がおいしいと教えてくれた同僚に自慢するため」と、ここまで言えば、
食卓一杯のおかずにおひつご飯(茶碗4杯分)、そして「客を見てから出すのを決めた」後出しのトンカツが追加されて、もお動けなくなるほど腹一杯になれるのである。
まあ、どうしても腹の虫がおさまらない場合は、法務法人ハンバダにお相談を。
というか「ウ・ヨンウ弁護士は天才肌」を見始めたら、ごはん半分にしてもいいから見続けたくなると思いますので、ぜひ奥様におすすめを。
https://youtu.be/f6X66CW9XGc
投稿: 🐢🐳⚖️ | 2022年7月16日 (土) 21時26分
こぶぎさん、大正解です!
投稿: onigawaragonzou | 2022年7月16日 (土) 21時28分