秘境探検その2・食事時間
8月22日(月)
秘境での食事について書く。もちろん、あくまでもこれは、いま僕がいる秘境についてである。
食事の時間は決まっていて、その時間だけは、個室を出て、1階のロビーまで食事を取りに行ったり、ゴミを捨てに行ったりすることができる。ただ黙って食事を取りに行って、取り終わったらエレベーターに乗って個室に引き返すという行為を繰り返すだけなので、とくに気晴らしにもならない。
食事の時間は、次の通りである。
朝食は7時45分から9時まで。
昼食は12時から13時30分まで。
夕食は18時から19時半まで。
つまりはこの時間だけは個室からの出入りが自由となる。といっても、個室を出たところでどこにも行くところがないから、結局は、1階に食事を取りに行くぐらいしかやることがない。
昼と晩だけは90分の時間があるが、なぜか朝だけは15分短くて、75分しかない。この15分の違いは大きい。
今朝、朝食を取りに行こうと7時45分に個室を出たら、エレベーターの前に行列ができていた。エレベーターが2台しかない上に、上から降りてくるエレベーターが常に満員で、乗ることができないのである。
そのとき僕は初めて気づいた。
僕が今いるのは8階である。この秘境は13階まであって、エレベーターは、まずは最上階まで行って、13階の人を乗せてから下に降りることになる。その過程でエレベーターは満員となり、8階にいる人は乗ることができない、とこういうわけである。しかも「途中下車」する人は1人もいないのだから、8階より下の階の人は、さらに不利であることはいうまでもない。
なるほど、これは満員電車の論理だ。
朝の通勤ラッシュの電車の混み具合は殺人的だが、始発駅から乗る人は、がんばれば座ることができるので、始発駅に住む人にとっては有利である。それと同じ理屈である。
いわば13階が始発駅なので、エレベーターに関していえば、13階の人が断然有利なのである。
そこで「時差出勤」という概念が導入される。みんなが早い時間に食事を取りに行こうとするから混むわけで、少し時間をおいてから食事を取りに行けば何ら問題ないのである。
ふしぎなことに、昼食や夕食の時間のエレベーターは、朝食の時間ほど混雑していない。これはどういうことなのか。
先に述べたように、朝食の時間は、昼食や夕食の時間よりも、15分短い。そのことが、朝食を早く取りに行こうとする心理をかき立てているのではないだろうか。
僕の場合、食事が終わると、その容器をその時間のうちに1階に捨てに行きたい派である。その場合、エレベーターで2往復する必要がある。できるだけ早く食事を取りに行き、個室で食事を済ませ、その空容器を1階に捨てに行く。これを90分の間に済ませたいのだ。
もちろん、食事が済んだ空の容器は、次の食事を取りに行くついでに、捨てに行くことができるので、とくに2往復する必要ないのだが、とにかく僕は、食べ終わった容器を早く1階に捨てに行きたい派なのである。けっこう、そういう派の人は他にもいるのではないだろうか。
しかも、朝の食事時間は15分短くて、75分である。この間に、1階に食事を取りに行って、個室に戻って食べて、その空容器を1階に捨てに行かなければならない。これは焦る。
そういう心理が、朝のラッシュアワーを生んでいるのではないか、というのが、僕の仮説である。
解決策は、その時間に食べた食事の空容器を、その時間内に捨てに行こうとする考えをやめて、次に食事を取りに行く時についでに捨てに行けば、エレベーターの往復は1階ですむわけである。実際、館内放送ではそのように推奨している。
しかし個室のスペースが狭いので、できるだけ早めに空容器は捨ててしまいたい、という心理も働く。このあたりが難しい。
ま、ほかに何もやることがないので、日がな一日、こんなことで頭を悩ませている。
ところで、「食事」と書いてきたが、お察しの通り、これは「お弁当」のことである。次の回では支給される「お弁当」について書こうと思ったが、長くなって疲れてきたので今回はここまで。続きを書くかどうかはわからない。
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