ラジオパーソナリティーと文筆活動
ラジオパーソナリティーと文筆活動の関係、ということで、もう少し書く。
僕の知り合いの知り合いに、いまは死語になってしまったが、いわゆるマルチタレントというべき方がいて、最近はテレビには出ず、ラジオパーソナリティーや文筆活動などを中心に活動している。僕は、1,2度、直接お目にかかったていどなのだが、ありがたいことに、いちおう僕のことを認識していただいているようである。
その方が、このたびエッセイ集を出された。袖すり合うも多生の縁、ということで、さっそく入手して読んでみたら、これが思いのほか面白かった。何気ない日常や、ちょっとした体験にニヤリとして、それでいて、いままでの自分の思考の枠組みについてちょっと考えさせられたりする。
僕はその方の声を知っているので、読むときにはその方の声が脳内で再生されるわけだが、読んでみると、そうか、これはラジオのフリートークなのか、と気づいた。
ラジオパーソナリティーの極意は、…なんて偉そうなことを僕が書いたら叱られるが、「ベテランのラジオリスナー」の意見として聞いてもらうと、ラジオパーソナリティーの極意は、初めてそのラジオを聴いた人にもわかるように、言葉を補って補助線を引きつつ、といってそれが邪魔にならないように、そのときの状況や心情を説明する技術に長けることだと思う。つまりこのエッセイは、その方が長年、ラジオのフリートークで培っていた技術が遺憾なく発揮されている、と感じたのである。
たぶん、いろいろな読者からいろいろな感想が、著者のもとに寄せられているのだろうな、と思いつつ、僕は知り合いを通じて、上のような感想をお伝えしたら、「ラジオパーソナリティーとからめての文体を考察いただいたのは初めてかも!です」という返信を間接的にいただいた。考察、といったものではなく、何でもかんでもラジオに結びつけて考えてしまうのが、僕の悪い癖である。
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