さかなのこ
10月9日(日)
4歳6か月の娘と二人で、沖田修一監督の『さかなのこ』を観に行く。
あとで気づいたんだが、『南極料理人』と同じ監督だったのね。
あらかじめ得た情報だと、上映時間が2時間19分もあるということで、4歳の娘は集中力が持つだろうかと心配だったが、『南極料理人』と同じ監督だから、きっと気に入るに違いない、という方に賭けた。
この映画は、さかなクンの自伝をもとにした映画である。僕は常々さかなクンを尊敬しているし、それをのんさんが演じるというだけで、もう観るしかない映画である。
映画の中では、のんさん演じる魚好きの主人公は「ミー坊」と呼ばれている。そしてさかなクン本人も映画の中に「ギョギョおじさん」として登場し、ミー坊に「おさかな愛」を伝授する。こうして虚実皮膜のうちに、物語が進んでいくのだが、ひとつ、さかなクンの登場場面で僕にとっては衝撃的なシーンが一瞬あらわれるのだが、そこが衝撃的であるがゆえに、その場面はとくにグッときた。
進学した高校には、いわゆる不良生徒たちがいて、「総長」だの「赤鬼」だの「青鬼」だの「カミソリ」だの「狂犬」だのと、やたら威勢のいい集団が出てくるのだが、根はみんないいヤツである。さかなクンは、僕よりも下の世代だが、まだ「不良」とか「ツッパリ」が学校に跋扈していた時代だったのだろう。僕の中学時代にも、やれ総番だの裏番だのといったツッパリ連中が学校で幅をきかせていたが、根っからの悪ではなく、総じて気のいい連中だった。僕は生徒会長をやりながらも、なぜか彼らに気に入られていたので、さかなクンと不良連中との交流のシーンは、懐かしい思いで観ることができた。
劇中に「普通って何?ミー坊、よくわからない」というセリフがあり、これがこの映画のキモである。それをのんさんを通したセリフで聞くと、ほんとうにハッとさせられる。
音楽は僕の大好きなパスカルズだった。大林宣彦監督の映画『野のなななのか』の主題曲を担当したことがきっかけになってその存在を知り、それ以来、ファンになっている。
映画の途中、娘は小声で、「おもしろい」と言ってくれたが、僕に気を遣って言ってくれたのかもしれない。それでも2時間19分、娘の集中力はほとんど途切れることはなかった。
次は、「ギョギョおじさん」こと、さかなクン本人の出演番組を娘に見せてやろう。
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