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天間荘の三姉妹

11月3日(木)

文化の日。

午後、4歳になる娘とふたりで過ごさなければならない。そんなときは、困ったときの映画館である。

娘と観る映画は、最初はディズニーのアニメとか、そういったものだったが、最近は「さかなのこ」「耳をすませば(実写版)」と、だんだん難易度が上がっている。今回選んだのは、さらにその上をいく難易度である。

北村龍平監督の『天間荘の三姉妹』である。上映時間は2時間30分。さかなのこの2時間19分をさらに上回る上映時間なので、娘の集中力が途切れないか心配である。実際、2時間ほど経った頃に「パパ、おしっこ!」と言ってきたが、エンドクレジットまで我慢してもらった。

それでも、この映画を選んだのは、「さかなのこ」に主演していたのんさんが出演しているということ、人間関係の設定が、娘が好きな是枝裕和監督の「海街diary」と同じような感じに思えたという2点からである。娘の入り込みやすい映画ではないかとふんだのである。しかし実際は、さすがに4歳の娘には難しい映画のようであった(最後まで飽きずに観てはいたが)。

なんの予備知識も入れずに見始めると、なるほど、そういうことかと、だんだん状況が飲み込めてくる。大人がそう思うくらいだから、ましてや4歳の娘には難解に思えたはずである。観た後で、どんな内容の映画だった?と聞くと、その内容を説明できなかった。そりゃそうだわな。

僕の個人的感想を言うと、最初の導入こそ、是枝裕和監督の「海街diary」の設定を思わせるが、内容的には、大林宣彦監督の「あした」「異人たちとの夏」と、構造がほぼ同じである。とくに「あした」を思い起こさずにはいられなかった。

もうひとつ、最後に、家族写真を撮るというシーンがあるのだが、そこでみんながカメラに向かって見せる指サインは、ピースサインではなく、晩年の大林監督が好んだ「I Love You」の指サインだった。

ここまでくると、この映画は、大林宣彦監督作品へのオマージュなのではないか、と妄想を膨らませたくなる。もちろん、製作者側はたぶんぜんぜんそんなことを意識していないと思うけれど。

ある種の人々にとっては、辛い思い出を喚起する映画だとも思うので、鑑賞には少し注意が必要かもしれない。

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