年賀状反省会
もう年賀状を辞めようと思いつつ、やはりいただくと、こちらから出さないというのも失礼に思えてきて、結局ズルズルと年賀状を出すこと習慣が続いている。今回も年末ギリギリになって出すことになってしまった。
元旦に来た年賀状。だれに送ったか、送らなかったかを妻と二人でチェックする。こちらから送っていなかった人には、送らなければならないためである。
一枚一枚年賀状を見ながら、とりとめのない話をする。
むかし、妻の両親が仲人をしたという人から、いまでも妻の両親のもとに年賀状が届くのだが、そこに書かれている宛名の名前が、毎年必ずといっていいほど、間違っているという。
もちろんこちらは、正しい名前を毎年書いて送っているのだが、そのことに気づかないのか、毎年、宛名が修正されることなく送られてくる。
「パソコンに登録している住所録が間違っていて、毎年そのまま宛先を打ち出しているからじゃないの?」
「それはそうかもしれないけど、つまり、そのていどの関係にしか思っていない人なんだよ」
なるほど。僕自身も、名前の表記を間違えて送ってしまうことがある。しかし、極力気をつけてはいるし、もし間違っていることがわかったら毎年その都度修正している。それはほかならぬ僕自身、名前の表記をよく間違えられるからだ。
僕は、一枚一枚確認していた年賀状の一枚を手にとって言った。
「たとえばこれ、名前の表記が間違っているだろう?」
「ほんとだ」
僕のファーストネームの1文字目は、どういうわけか、いろいろな別の漢字に間違えられる確率が高い。
「この人は、10代から知っていて、いまでも何かとつながりのある人だ。40年近くたっても、僕の名前の表記を間違って送ってきている。つまりこの人にとっては、僕はそのていどの関係の人間だということだ。そういうとこなんだぞ、と」
もちろん、むかしから名前の漢字表記が間違えられることが多く、そんなことはすっかり慣れきっているので、別にどうということはない。
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