4年ぶり
3月26日(日)
都下の町で、ある勉強会に出席した。
この日は娘の誕生日なので、出席するのがためらわれていたのだが、その勉強会はうちの職場が主催で、僕は形ばかりの代表をつとめていたので、出席しないわけにはいかない。
20名ほどが出席するこぢんまりした会で、はじめた見かける人がほとんどである。本来ならば、一人ひとり挨拶しなければいけないのだろうが、スケジュールが詰まっていて、その時間はなかった。会じたいは、とても勉強になってよかった。
夕食は娘とケーキを食べなければならないので、会が終わると、すぐ帰らなければならない。会は5時過ぎに終わった。
さあ帰ろうと立ち上がると、後ろの席の人が声をかけてきた。
「お久しぶりです。覚えていますか?」
顔を見たが、はて、覚えていない。
「4年ほど前に、ウクレレの会でお会いしました」
そう言うと、彼は自分のスマホをとりだして、スマホの中の写真を僕に見せた。
思い出した!以前、ある本の仕事を一緒にした人である。
といっても、面識はほとんどなく、ちゃんとお話ししたのは、2019年11月のウクレレの会というイベントの時だった。
その時僕は、1歳8カ月の娘を連れて行って、彼もまた、生まれたばかりの赤ちゃんを連れてきていた。赤ちゃんを連れてきた参加者は、僕と彼の二人だけだったので、主催者の人に頼んで、一緒に写真を撮ってもらったのである。
彼が見せた写真は、その時の写真であった。
しかし、その時の写真の彼と、現在の彼とは、かなり印象が違っていたので、まったく気づかなかったのである。
「こんなところでお会いできるなんてね!」
「あの時の子は、いま4歳です。鬼瓦さんのところは?」
「今日が誕生日で、5歳になりました」
「そうでしたか」
「いまはここに勤めております」
と彼は名刺を差し出した。
横で話を聞いていた、この勉強会の担当者が、
「こんど、うちのチームと一緒に仕事をすることになる方です。お知り合いだったんですか?」
と驚いていた。
「じゃあ、これからまたいっしょに仕事ができるんですね」
「そうですね」
かつて、いっしょに仕事をしたことのある人と、まったく別の仕事でまたご一緒するというのは、僕にとって、最も幸福な再会の仕方である。
僕はそういう再会を、何度もしている。
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