NGなし
3月14日(火)
昨日、今日と、テレビ番組の収録があった。もちろん、今回のイベントを紹介する番組である。
昨日は、ローカルケーブルテレビの15分番組の収録で、プロの芸人さんとトークを繰り広げながらイベントの紹介をするというものである。
いちど、事前に打ち合わせをしたのだが、その芸人さんとお会いするのは、本番当日、というか本番直前である。
最初にディレクターが、だいたいの流れを説明する。
「かくかくしかじか…、こんな感じでお願いします」
「わかりました」
いきなり本番である。
百戦錬磨、その芸人さんはこの番組のレギュラーなので、ディレクターの意図を瞬時に理解し、番組をまわしはじめる。
こっちも負けてられない。芸人さんの投げかける言葉に、的をはずさぬように応答する。
「はい、OKです!」とディレクターの声。「すばらしいです」
掛け合いが、見事にハマったらしい。芸人さんも、「すごいです」と驚いていた。
掛け合いの場面は、まずオープニングから始まり、次にイベントの中身を、4場面にわたって紹介する。これだけで、5つの場面で芸人さんと掛け合いをしたことになる。
「はい、最後はエンディングです。もうかなり撮れ高があるので、エンディングは短めにお願いします。○○さん(芸人さん)がいい感じで感想を言っていただいて、それに対して鬼瓦先生がいい感じのコメントをお願いします」
「撮れ高」って言葉を実際に使っている人を、初めて見た。そりゃそうだ、ディレクターだもの。
さて、芸人さんが、どんな感想を繰り出すかわからない。しかしその芸人さんは、かなりクレバーな人なので、その場で的確な、しかも短い感想を言った。さすがである。
それに対して僕は、その感想を受けて的をはずさぬように短いコメントを言って、それがまた、見事にハマったのである。
「はい、オッケーです!完璧でした」
「そうでしたか」
「捨てるところがありません」
彼らが言うには、一発OKというのは珍しいらしい。それほど、掛け合いがハマっていたのである。
「ピンマイクをはずしま~す」ADのような人が僕のシャツにつけていたピンマイクをはずして、無事に収録は終わった。
「どうしてそんなにお上手なんです?」とディレクター。
「実は、ラジオパーソナリティーになるのが夢だったんですよ」
と恐る恐る言うと、
「ポッドキャスト番組とかもったらいかがです?絶対に人気が出ますよ。なんだったら○○さん(芸人さん)と掛け合いをするとか」
「ほんとうですか?」言われた僕もまんざらではない。「じゃあ、事務所に入ろうかな」その芸人さんは、老舗のお笑いタレント事務所に所属していて、僕の憧れているお笑いタレントがいる事務所でもあるのだ。この「事務所に入ろうかな」のひと言で、周りは爆笑した。
「鬼瓦先生、ほんとうに面白いですねえ。絶対にいけますよ」
どこまでおだてるんだ、この人たちは。
ということで、スムーズに収録を終えたのだった。
そして翌日の今日。
こんどは一転して、公共放送の伝統ある番組である。5分間だけ放送してくれるという。その中で僕のインタビューは40秒くらい流れるらしい。
前日はラフな格好だったが、今日はスーツを着て撮影にのぞむ。
こちらのほうも、ディレクターから「だいたいこんなことを言ってください」と言われて、いきなり本番である。
今回は、ディレクターが質問をして、その質問に対して答える、と形式なのだが、あたかもひとり語りをしているような感じに編集されるのだろう。
ディレクターの聞きたいことに対して、的をはずさないように応答する。
そのやりとりを何度かくり返して、
「はい、オッケーです」
と、終わった。
「もう完璧です。こちらの聞きたいことに全部答えてくださいました」
「伝わったのでしょうか」
「もちろんです。なんならこのまま1時間番組にしたいくらいです」
ディレクターというのは、おだてる人種なのか?
お疲れさまでした、とようやく解放され、帰途についたとき、ふと思った。
(あれ?ピンマイクつけなかったぞ?)
機材は、カメラと照明だけだった。ピンマイクをつけ忘れたのかな?
(ひょっとして、俺が喋った話は、全部音が入っていないんじゃないだろうか?)
と心配になってきた。
それとも、その公共放送のカメラは、とても性能がいいので、カメラに高性能のマイクが付いているのだろうか?いやいや、そんなことはないだろう。
あ~あ、あの人たちが会社に戻って映像をチェックしたら、音声が入っていないことに愕然とするのではないだろうか。
いよいよ心配はつのるばかりだが、オンエアのときにそのことを確かめなければならない。
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