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最後のイベント

今回のイベントの作業をしているスタッフから、こんな話を聞いた。

大変お世話になった大学の指導教員に、たまにメールで連絡をしている。その先生は、在学期間の終わり頃から体調を崩し、ずっと不調の日々が続いていたが、最近、手術をしてだいぶ体調がよくなったそうで安心した。自分が携わっているイベントが始まるタイミングで、必ずメールを書いているのだが、「(人事異動があるかもしれず)今回のイベントが最後の担当になるかもしれない」と書いたら、「イベントに行こうかな」と返信が来て、その言葉だけでも嬉しかった、と。

なるほど、その気持ちがよくわかる。

僕は年齢的には、その指導教官の側なのだが、立場としては、そのスタッフと同じ立場である。

僕は、前の職場を去るときに、教え子たちに対して恥じない生き方をしようと誓った。

それがはたしてできているか、ずっとモヤモヤしていたが、あれから10年、今回のイベントを行ったことで、ようやく胸を張って恥じない生き方をしている、と言えるようになったかもしれない。

できれば教え子たちにこのイベントを見てもらいたい、と思うのだが、いささか時間がかかりすぎた。それぞれの生活や人生の追われていて、なかなかそんな機会は訪れないかもしれない。

それでも、20年以上前の教え子から、遠路はるばる、万難を排して来てくれるという連絡をもらうと、やはりうれしい。

僕自身も、これが「最後のイベント」だと思っている。もう、こんな大がかりのイベントを自分で企画立案する機会は、訪れないかもしれない。「集大成」「生前葬」と自己評価する所以である。

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