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シェフを呼んでください

4月4日(火)

会議が終わり、ホッと一息ついていると、電話が鳴った。

「こちら総合受付です。○○県の××さんという方が、先生にお目にかかりたいというので総合受付にお見えになっております」

「はぁ」寝耳に水である。

「○○県の××と言えばわかるっておっしゃってます」

「ええ、わかります」

僕は、不意にその名前が出てきたので驚いた。僕よりも10才以上年上の同業者で、ずいぶん前に一緒に仕事をしたことがある。だから○○県の××と聞いただけで、すぐにわかったのだ。

その方は、良い方なのだが、ちょっとこだわりが強い方だった。僕は瞬時に、イベントを見に来られたのだな、と思った。僕のイベントと、その方の関心との相性が良いことを、僕は知っていた。

しかしそれだけに、自分のこだわりを満たさなかったとしたら、お叱りを受けるのではないだろうか。僕はちょっとビビった。

「すぐに行きます!」

総合受付に行くと、その方がいて、「ご無沙汰しております」と挨拶した。

「イベント、すでに拝見しました」

「もうご覧になったんですか」

「いやぁ…面白かった!」

僕はホッとした。てっきりダメ出しを食らうのではないかと思ったからである。

驚いたのは、自分が思ってもみなかったところを、面白がってくれたことだった。

「あの人とあの人が繋がる理由がわかった。あの人が介在したから繋がったんですね」

と、ご自身の中でひどく納得されてご満悦だったのだが、僕には何のことやらサッパリわからない。

自分のまったく意図しなかったところを面白がってくれる、というのは、なかなかうれしいものである。

自分の関心の中で勝手に受け止めてくれて、勝手に面白がってくれる。これこそが、イベントとの正しい関わり方ではないだろうか!

企業に勤める高校時代のすぐ下の後輩が、僕がいないときにイベントに来てくれて、後に感想を送ってくれたのだが、僕の思いもつかぬところを面白いと感じてくれたようだった。門外漢でも楽しめる方法はいくらでもあるのだ。僕はその賢明さに敬意を表した。

さて、僕を呼び出した○○県の××さん。イベントを見て、担当の僕をわざわざ呼び出して、面白かった、と感想を言ってすぐに帰っていった。まるで、

「この料理が美味しかったので、シェフを呼んでください」

みたいな感じだな、と思って、ありがたくも可笑しかった。

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