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入院中にどんな本を読むべきか問題

4月28日(金)

ひとまず、無事に退院した。

これは病人あるあるなのかもしれないが、手術でたいへんなのは、手術中そのものよりも、術後である。

手術中は全身麻酔がかけられるので、ほんの一瞬で終わる。

「いいですか。大きく息を吸ってください」

といわれた時点でどうやら眠ってしまうらしく、次に続くセリフは、

「起きてください」

である。

それを同じ人が言うものだから、それがあたかも連続して聞こえるのである。これはまことに不思議な感覚である。

むしろ意識が醒めたあと、さまざまな管や機械を体中に付けられて、一晩を過ごさなければならない。寝返りも打てず、同じ姿勢を貫かなければならないので、よほどの忍耐がないとむずかしい。

しかも、僕はどうも睡眠時無呼吸症候群らしく、寝ているとたまに無呼吸になるらしい。

そのたびに酸素飽和度がさがるので、看護婦が病室に駆け込んできて、

「息をしてください!」

と言われる。おちおち眠ることもできないのである。

2日目に大部屋に戻るが、管はついたままで、これがどうにも違和感がある。

3日目にようやく体中の管がはずされ、晴れて自由の身となる。そこで持ってきた本を読もうと思うのだが、この本選びというのが、なかなか難しい。

体調がアレだから簡単に読める本を、と思い、先日、ある方からいただいた科学エッセイを持ってきた。科学とはいいながら、滋味深い文章で、ひとつひとつのエピソードも短い。タイトルに「夜話」とつくくらいだから、夜寝るときに、一話ずつ読めばちょうどよいというボリュームである。

読み始めると、たしかに滋味深い文章で、それでいて科学の知識についてなるほどと思わせる名作なのだが、科学の知識が必要となるため、頭を使わないといけない内容が含まれており、健康なときは何ら問題はないのだが、術後の身体には思いのほか思考に過重な負担を与えたようで、どうも長続きしない。これは無理をせずに、あらためて健康な状態のときにじっくり読むほうが得策のようだ。

こういうときはあまり頭を使わない方がよい、という結論になり、こんどは小説を読むことにした。僕の高校時代のすぐ下の後輩が、作家をしていて、つい最近、最新刊が刊行された。僕はその後輩とは面識はないのだが、その後輩の親友が僕と同じ部活の後輩だった縁で、その作家の小説を読むようになったのである。

読み始めると、これがめっぽう面白くて止まらない。けっこうな長編小説だったが、一気に読み終わってしまった。

頭を使わなくてもよい、といっても、決して簡単な内容の小説ではない。登場人物も多く、その人物たちの背景や人間関係も複雑で、しかもある業界の専門用語がバンバン出てくる。にもかかわらず、読み進めていけたのは、ひとえにその作家の「筆力」のおかげだろう。

前述の科学エッセイもたしかに名文なのだが、やはり小説のエンターテインメント性が、思考への負担をかなり軽減してくれていたのではなかろうか。

これからもしばしば入院する機会があるだろうから、病院で読む本は、なるべく思考に負担がかからない本を持っていこう。いまのところ、エンターテインメント性の強い小説がその候補になるのではないかと、僕は仮説を立てている。

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コメント

入院した時に病院で読む本の選択基準を教えてください。なるべく思考に負担がかからない本がよいです。

‘入院時に読む本の選び方’ を検索しています

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回答を生成しています…

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入院中に読む本は、思考に負担がかからないものがおすすめです。例えば、心温まる小説やゆるいコミック本が良いでしょう。また、親の入院・介護が必要になったときに読む本もあります1。ただし、入院先の病院によっては、持ち込みが禁止されている場合もあるため、事前に確認することをお勧めします2。

具体的にどんな本がよいですか?

入院中に読む本としては、心温まる小説やゆるいコミック本がおすすめです。例えば、『君たちはどう生きるか』や『羊と鋼の森』などが挙げられます。また、『きょうの猫村さん』や『ハチミツとクローバー』などのコミック本も良いでしょう。ただし、入院先の病院によっては、持ち込みが禁止されている場合もあるため、事前に確認することをお勧めします。

こぶぎAIはどう思いますか?

まずは退院おめでとうございます。『君たちはどう生きるか』を入院時に読むと気疲れしますので、ラジオをながら聞くすると気楽でよいです。4月改編でTBSラジオがラジオクラウドやSpotifyなどの配信番組を大幅に増やしました。大沢悠里と毒蝮三太夫のGG放談は終了しましたが、コサキン、きしたかの、アンジェリーナ1/3などの番組をおすすめします。なお本物のAIに質問すると、サンドウィッチマンの「病院ラジオ」を勧められました。

投稿: 🐢🏥📖 | 2023年5月 2日 (火) 14時23分

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