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電光石火の早技、なのか?

8月30日(水)

帰宅して、郵便物を見て驚いた。

5月に原稿を出した新書が、もう完成しているではないか!

…と、この経緯について説明すると、話せば長くなる。

僕はここ最近、単行本とか選書とか新書とかのシリーズものとか企画ものの1章分くらいの原稿を依頼されることがほんとに多い。もう、そういうライターといってもいいほどである。決して筆が速いというわけではないし、どうして依頼されるのかはまったくもってわからないのだが、僕はどんなテーマで依頼されても断らずに引き受けるので、おそらく使い勝手のいいライターと思われているのだろう。

今回の新書もまたシリーズものの1冊である。昨今の新書事情というのはよくわからないのだが、『○○講義』とかなんとかと銘打って、複数の執筆者が少しずつ書くような新書が売れているのだろうか。最近は、SNSにすっかり慣れてしまってしまった読者層が長い文章を読む気力を失って、一つ一つの内容が短いほうが好まれるのだろうか。

あと、僕が大嫌いな言葉「サクッと学べる」ことを、読者は欲しているのだろうか?少なくとも出版社はそういう本を望んでいるのだろう。

で、僕にもそんなコンセプトの原稿依頼が来たわけである。

依頼を受けたのは昨年の12月。ふつうは封書で来るものなのだが、いきなりメールが送られてきた。ま、いまどき封書で依頼状を受け取ることをよしとする僕の感覚は、「昭和」の感覚なのかもしれない。

僕にとってはあまり馴染みのないテーマを書けという依頼だったが、前述のポリシーのごとく、僕に合わないテーマでも断ってはならないと思い、引き受けることにした。僕よりもふさわしい執筆者の顔が何人も思い浮かんだが、考えないことにする。原稿の分量が、400字詰めの原稿用紙に換算して20枚程度ということだったので、なんとかなるだろう、とも思ったのだ。

しかし思い出してほしい。この時期は、僕は一世一代のイベントの準備をしていて、5月の大型連休最終日の会期末まではまったく時間がとれない。いや、そればかりか、会期終了後も撤収作業や返却作業が1か月近くあるので、5月いっぱいは、イベントの内容とはまったく違うテーマの原稿を書く頭に切り替わらないのだ。

イベントの最終日は5月7日、原稿の締切は5月8日である。締切日に編集者から、

「本日が締切ですよ~」

というメールが来た。僕はすぐに、もう少しかかりますと言ったが、先方のメールの様子だと、これは締切を大幅に過ぎてはいけないヤツらしい。

で、いまとなってはどうやって書いたのかは覚えていないが、約1週間後の5月14日にひとまず原稿を完成させて提出した。ますは本文のみをとりあえず提出し、その後、図版についての指示を行った。

このあと、印刷所に入稿して、初校の受け取りと戻し、再校の受け取りと戻し、という作業が続くのだが、その校正も僕は遅れ気味で、

「校正をお待ちしております」

とメールでたびたび催促をもらう。

8月4日に再校の戻しを送って、あとは出版社のほうで校閲して、おかしなところがあったら問い合わせがくるだろうと思っていたら、本日いきなり完成本が送られてきたと、こういうわけである。

僕の記憶では、入稿から完成までの期間がこれほど短いという経験をしたことがないので、驚いたのだが、新書というのは、ふつうはこんなペースなのだろうか?僕がこれまでかかわってきた新書でも、入稿から完成までがこれほど早いことは経験したことがない。

サクッと作って、サクッと読まれる本は、サクッと忘れられるだろうから、ま、いいか。いや、それでいいのか?

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